りんごの花言葉は実や木で違う!ギリシャ神話との関係は?

りんごは私たちにとって身近で美味しい木の実ですが、花言葉はご存知でしょうか?実は花だけではなく、木、実それぞれに別の言葉が付けられています。それも見た目から付けられたものではなく、壮大なギリシャ神話が隠されています。

今では品種改良が進み様々な特徴を持ったりんごが、日本だけで2000種類、世界では10000種類も存在しています。その中から国内で有名な品種のご紹介も併せて、花言葉の由来となったギリシャ神話も詳しくご紹介致します。

りんごの花言葉

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りんごは、花、実、木のそれぞれに花言葉がつけられているレアケースな花です。りんごは実る前に小さな白い花を咲かせます。りんごの花言葉は「優先」「好み」「選択」です。

りんごの花言葉の「優先」は、この花が咲いた後に大事な果実が実る前触れであるのを表しています。りんごの実は昔から貴重で、アダムとイブのお話にも出てきた有益な実として扱われています。

花言葉の「選択」はギリシャ神話のトロイア大戦争の原因となった「パリスの審判」に由来されています。いずれもギリシャ神話が由来となっていますね。このお話については、後述する「りんごとギリシャ神話の関係」にて詳しくご紹介致します。

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英語のりんごの花言葉

英語でりんごの花言葉は「preference(優先、好み)」となります。これも同じくギリシャ神話から付けられたものです。

りんごの実の言葉は「temptation(誘惑)」になります。これはギリシャ神話内の「エデンの園」から付けられています。後ほど詳しくご紹介致します。

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りんごの実の花言葉

りんごの実の方には「誘惑」の花言葉が付けられています。英語の花言葉と同じですね。こちらは旧誓約書・創世記に記された「エデンの園」に纏わるとされています。あの有名な「アダムとイヴ」ですね。

旧誓約書・創世記に書かれている最初の人類はアダムとイヴです。エデンの園に降り立った二人はそこで「善悪の知識の木」と称する植物を見つけます。二人は気になりましたが、神々がその実を食べる事は固く禁じていました。

「善悪の知識の木の実は決して口にしてはならん。それをもぎ取って食べてしまうと、きっと死ぬだろう。」神はアダムにそうとだけ伝えました。あくる日、邪悪な蛇が悪い耳打ちをしにエデンの園へやってきます。

「その実はきっとおいしかろう。食べてしまえ、食べてしまえ」その誘惑に負けたイヴは、なんと善悪の知識の木の実を食べてしまいます。夫のアダムにも食べるように勧める始末です。

神によって食べる事を禁じられていた果実、つまり「禁断の果実」を二人とも食べてしまい、「無垢」を失ってしまいました。失った途端に、お互いがハダカであるのに恥じらいを持ち始めます。

二人が恥じらいを持ったのに神は気づきます。「禁断の果実を食し、無垢を失ったな。神聖なエデンの園から出ていけ!」約束を破った二人はエデンの園を追放されてしまいました。

このお話から「誘惑」の花言葉が付けられました。赤く魅力的なその実は、神に作られた人類ですら誘惑するほどだったんですね。

しかしこの話が書かれた旧誓約書・創世記に、禁断の果実は「りんごだった」とは一言も書かれていません。いまだになんの実だったかは不明のままです。しかし古代ギリシャ時代などに描かれたエデンの園の絵画ではりんごとして描かれています。

アダムとイヴが描かれた絵画には、必ずと言っていいほどりんごの実が描かれています。このイメージから、現代でも「りんごの実を食べてエデンの園を追放された」と信じられています。

一番初めにこの誓約書を翻訳したローマのキリスト教徒たちが生存していた時代には、どんな場所でもどこへ行っても、りんごの木が生えていたことから、「善悪の知識の木の実はりんごに違いない」と言われていました。

りんごの木の花言葉

りんごの木には「名誉」の言葉が付けられています。ギリシャ神話「パリスの審判」から由来されています。

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りんごとギリシャ神話の関係

花、木のそれぞれの花言葉は、すべてギリシャ神話から付けられています。こちらではりんごの花に付けられた言葉「選択」と木の言葉「名誉」の由来にもなった、「パリスの審判」からご紹介致します

とある日、1組のカップルが結婚式を行います。その結婚式には神々も参列する事になっていましたが、唯一招待状が届かなかった女神が一人いました。それは争いの神・エリスです。自分だけ招かれなかったのに腹を立てたエリスは、勝手に結婚式場へ向かいます。

式場へ乗り込んだエリスはこう叫びます。「今参列している女神の中で、最も美しいものに、この黄金のりんごを授ける!」そう叫んで式場に黄金のりんごを投げ入れます。この黄金のりんごは「名誉の象徴」でありました。

そこに参列は3人の女神が参列していました。神々の王ゼウスの妻・ヘラ、戦いと知恵の女神・アテナ、愛と美の女神・アフロディーテです。この3人が醜く争おうとするものですから、参列していたゼウスは困り果てました。

ゼウスはトロイア王の息子・美少年パリスにどの女神が最も美しいか判断させる事にしました。それぞれの女神は黄金のりんごが欲しいために、パリスに自分を選択すればよい出来事があると言い出しました。

「君主の座を与えましょう」とヘラ、「すべての戦いにおける絶対勝利を約束しよう」とアテナ、「世界一の美女をあなただけのものにしてもよいです」とアフロディーテが言い終わり、ついにパリスの答えが求められます。

パリスが選んだ女神はアフロディーテでした。パリスに選ばれたアフロディーテは黄金のりんごを手に入れます。しかしアフロディーテが言った「世界一の美女」とは、スパルタ王の妻・ヘレネーの事でした。

アフロディーテは誰になんの許しもなく、異国の王であり既婚者のヘレネーを与えるといった事になります。これがきっかけで後のトロイア戦争勃発に繋がりました。

りんごが欲しいために選択を余儀なくされた話である事から「選択」の花言葉が付けられ、エリスが投げ入れた黄金のりんごが「名誉の象徴」であったため、木に「名誉」の言葉が付けられました。

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フランス人はりんごを知らない?

「知らない」というよりは、シャキシャキとした実を「ナシ」というそうです。フランスでは青りんごが一般的ですが、よく食されるのはラフランス、つまり洋ナシだそうです。

イギリス人はりんご、フランス人はナシ、そしてイタリア人はイチジクに通じます。そのためイギリス人から見て「フランス人はりんごを知らない」と考えられていたそうです。

異国同士の文化の違いがはっきり出ていますね。現在のフランスは、日本のようにたくさんの国の人たちが集まる都市でもあります。そのため感じ方が異なっていたのでしょう。ちなみにりんごを絵で描くとき、日本人は赤が一般的ですがフランス人は緑か黄色に塗ります。

りんごの種類

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りんごにはご存知の通り、たくさんの品種が存在しますよね。今回はその中でも日本国内で有名なものをいくつかご紹介致します。

ふじりんご

日本で一番有名で、一番食べられているのはこのふじりんごです。国内シェアは50%以上に上り、青森県産と長野県産のものが多く出回っています。室温で約4か月、長期保存ができるのも愛される理由のひとつです。

似た名前で「サンふじりんご」があります。これは実を守り色付きをよくするために行われる「有袋栽培」という方法を「していない」ふじりんごを指します。品種改良が進み今ではほとんど袋なしで栽培されており、ふじりんごの中では一番甘い種です。

津軽りんご

日本国内でふじりんごに次いで2番目の人気を誇る種です。国内シェアは約40%ほどで、青森県産のりんごになります。8月中旬~9月下旬の早い時期に収穫されますが、日持ちしないのが欠点です。長円形で実はやや硬めですが、果汁が多くて食べ応えはあります。

紅玉りんご

「こうぎょくりんご」と読みます。アメリカ原産ですが、日本では明治時代から栽培されている、古くから万人に愛されていた種です。サイズは小さめで強めの酸味が特徴です。火を通しても荷崩れしにくいので、アップルパイなどによく使われています。

一時期は一世を風靡するほど大量に出回っていましたが、ふじりんごや津軽りんごといった新品種が出続けたことで、任期は衰え、入手するのも難しくなっていました。最近ではアップルパイなどの製菓には紅玉りんごが最適だとされて、市場に出回るようになりました。

王林りんご

日本での「青りんご」といえばこの種です。ふじりんご、津軽りんごに次ぐ人気で、国内シェアは20%ほどあります。実は甘めで果肉は少し硬めですが、果汁がとても多いです。食べ応えも十分あり、甘い香りが特徴的です。

あきばえりんご

漢字では「秋映りんご」と書かれ、その名の通り秋の景色に映える濃い赤に色づきます。長野県産オリジナルの品種で、同じく長野県産品種「シナノゴールド」「シナノスイート」と共に「りんご3兄弟」とも呼ばれています。

寒さに強いですが、寒冷地過ぎると色が濃くなりすぎるため黒っぽくなってしまいます。長野県で栽培されるのがベストの環境なのではないでしょうか。

えさしりんご

漢字で「江刺りんご」と書きます。これは岩手県奥洲市江刺区にある「JA江刺」が設けた基準をクリアしたりんごのことを指しますので、品種の名前ではなく「ブランド名」です。基準はどのりんごに対しても統一されていますが、味や色などは様々です。

世界一りんご

「世界一大きなりんご」を目指して研究され、実際に完成した種です。世界一というだけあって高級品種で贈答用として親しみが深い種になります。

一般的なりんごの重さが200~300gなのに対し、世界一りんごは約500g前後あります。重量感からして世界一を誇り、大きく育ったものでは最大1kgを記録したそうです。味は甘味と酸味のバランスがとれており、やや硬めの果肉です。

星の金貨

青森県産のりんごで、この名前の通り金貨のような黄色をした種です。皮がとても薄いのが特徴的で、剥かずに食べても気にならないほどです。赤みがかったものは果汁が多くてジューシーで、見た目の可愛らしさだけではなく味も上品だそうです。

輪切りにすると本当に金貨のように真ん丸なところも、人気を誇るポイントではないかと思います。

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陽光りんご

群馬県産で日持ちが長いことが特徴です。冷蔵庫保存で約2週間はもちます。しっかりとした歯触りに少し控えめな果汁、それを底上げするように酸味がじわっと広がります。熟すにつれてどんどん濃い赤に色づいていきます。

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陸奥(むつ)りんご

名前の通り青森県の陸奥で造られました。赤と青の2色があり、一般のりんごに比べて大きさと硬さは中間、酸味は強めの種です。栽培方法によってはピンクに色づくもの、色が付かない「シルバー陸奥」に分かれます。

ピンクに色づけるためには有袋栽培を行いますので、ひと手間かかった分シルバー陸奥に比べて値段は割高です。12月中頃からりんごの表面に「メリークリスマス」の文字とイラストが描かれたものが店頭に並び、子供たちに人気です。

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北斗(りんご)

青森原産の種で、味はりんごの中でトップクラスに美味しいといわれています。しかし栽培方法が困難で生産者は減少、今では一般市場に出回る事はほぼないとされています。

やや硬めの果肉にたっぷりの果汁、甘味と酸味ともに濃厚ながらしっかりとバランスがとられています。

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黄王(きおう)りんご

岩手県原産で名前の通り、輝くような黄色に色づいた種です。酸味は弱めですが果汁は多いため、さっぱりとした味わいが特徴で、量が食べられるのはこの種です。

国光(こっこう)りんご

元はアメリカ原産の種でしたが、日本では明治時代に伝わり、渡来しました。色付きが黒っぽくなってしまうため、色づきが悪いという特徴がありますが、この国光りんごと別の種を掛け合わせて作られた新品種が、かなり多く存在します。

紅玉のように荷崩れしにくいので、アメリカでアップルパイに使われているのは、この国光りんごです。

千秋(せんしゅう)りんご

秋田県原産の種で皮が薄いことが特徴です。皮ごと食べるとバリっとした触感が楽しめます。色は絵の具のような赤色で、甘味酸味の両方が強く主張してくる、独特ながら濃厚な味のりんごです。

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とき(りんご)

青森県原産の青りんごで、香りがとても強いことが特徴です。陽が当たっていた部分だけ淡く赤色に染まっています。ふじりんごよりも果汁が多く、酸味は弱めで優しい味わいを楽しめます。

スターキングデリシャス(りんご)

アメリカ原産の種で、日本では主にリンゴジュースとして用いられています。全体的に赤く色づき、やや尻すぼみの形をしています。

香りは華やかで強め、果肉は柔らかめのさくさくと食べられる種です。熱に弱いため、製菓用には向いていません。ピューレやジュース、ジャムとしても用いられています。

以上が国内で有名どころのりんご達でした。一般的には」ふじりんごやサンふじ、津軽りんごを食す事が多いと思いますが、時には別のりんごを食してみるのはいかがでしょうか?生産者さんたちのありがたみがわかるかと思います。

りんごの誕生花

りんごの誕生花は4/8,5/11,9/29です。春が中心ですが、実をつけるのは秋頃になりますので、9/29は花ではなく、実の方かもしれませんね。

りんごの原産地

原産地はカザフスタン南部、キルギスタン、タジキスタンとなります。ですが日本ではヨーロッパから渡来する前に中国から普及し、すでに栽培されていたそうです。

りんごの名称・名前の由来

中国から普及されたため、名前の由来も中国にあります。漢字で書いたときの「林檎」の檎の字は、鳥かごで飼育されてる鳥のことを表す「禽(キン)」から作られた漢字です。

りんごは爽やかな香りを漂わせます。りんごの木の生える林や森でその香りにつられて鳥たちがたくさんやってきました。それから「鳥達はその木から動かない、まるで木がカゴのようだ」とされて、漢字が作られ、名前が付けられました。

属名のMarus(マルス)は、ラテン語で「りんごの木」を意味しています。では英名のApple(アップル)はどうでしょうか。

これは西暦約500~1000年の間、果実の区別をつけずにすべてAppleと呼ばれていました。後にりんごは果実を代表する存在であったことから、そのまま今でもAppleと呼ばれています。

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りんごの開花時期

4~5月頃に花を咲かせ、実るのは秋頃になります。種によっては、冬に花を咲かせ夏に収穫するものもありますが、一般的には春がりんごの季節となります。花持ちは短く3~5日ですが、後に甘酸っぱくて美味しい実がなりますので楽しみですよね。

りんごの花言葉のまとめ

ここまでりんごの花言葉を紹介してきましたがいかがでしたでしょうか?今ではりんごはとても身近にある果物として存在していますが、ギリシャ神話や創世記に記されるほど前から存在していた花、果実でしたね。花言葉も簡単なことでは付けられていない、壮大な物語が隠されていました。

普通に生活していたらりんごの花を見かけることは少ないと思いますが、もしりんご狩りなどに出かけた際は、可愛らしい花姿もご覧くださいね。りんごの花言葉でした。

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