クロッカスの花言葉を英語・白・紫・黄色など色別を解説!

クロッカスという名前の花を聞いたことはありますか?草丈は低く、なかなか視界に入ることがないので、見つけにくい花かもしれません。見た目は小さめのチューリップのように可愛らしいです。クロッカスはギリシャ神話に基づいた由来がとても有名で、悲しくて儚いお話が隠れています。

一般的には黄色、白のクロッカスが多く、春になると園芸店で苗が出回ります。およそ80種類の仲間が見つかっており、世界中に分布されています。クロッカス自体は春に咲く花として有名ですが、中には秋に咲かせる品種も存在します。

今回はちょっとマイナーなお花、クロッカスについての花言葉や、その由来となったギリシャ神話を交えてご紹介致します。

クロッカスの花言葉

クロッカスの花言葉は「青春の喜び」「切望」「切実」「裏切らないで」「不幸な恋」と付けられています。この花言葉には、悲しい愛のギリシャ神話が由来となっています。

由来は二つの話が存在しており、とても長くなってしまいますので、「クロッカスとギリシャ神話」の欄にて後述しますね。色によって花言葉も違ってきますが、そちらもギリシャ神話と大きな関わりがあります。神話に登場しており、神が付けた名前と花言葉だということがわかります。

「切望」「切実」という花言葉は、クロッカスの咲く時期に関係しています。クロッカスは春の花ですが、1月上旬や2月に花を咲かせ始めます。この早春に花を咲かせることから、「この花は春を待ちきれない」「春を切実に待っている」と解釈され、この花言葉が付けられました。

クロッカスはヨーロッパで春一番に咲く花で、「幸福の使者」と呼ばれています。そこから青春を象徴する花だとして、「青春の喜び」の花言葉が付けられました。春の訪れ知らせてくれる、素敵な花なんですね。

英語のクロッカスの花言葉

英語での花言葉は「youthful gladness(青春の喜び)「cheerfulness(上機嫌、元気、活発)」となります。こちらの由来も、日本語の花言葉と同じくギリシャ神話がもとになっています。

合わせて後述しますので、そちらもチェックしてみてください。

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色別で見るクロッカスの花言葉

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クッロカスは、パンジーやデイジーと比べて咲かせる色味は少なめです。主に黄色、白、紫に咲かせますが、それぞれにしっかりと花言葉が付けられています。

白のクロッカスの花言葉

透き通ったような白に咲くクロッカスの花言葉は「あなたを待っています」となります。こちらもギリシャ神話に基づいて付けられた花言葉で、恋する女性の気持ちを表しています。

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紫のクロッカスの花言葉

美しく凛としたイメージのある紫のクロッカスは「愛したことを後悔する」「愛の後悔」という、とてもネガティブな花言葉が付けられています。この花言葉の由来も、ギリシャ神話が元となっています。この花言葉だけ聞くと、なんだか重い恋愛をしているように感じますね。

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黄色のクロッカスの花言葉

よく見かける黄色のクロッカスは「私を信じて」「悪口を言うな」という言葉に加えて、クロッカス全般に使われている花言葉「切望」「青春の喜び」も付けられています。

「悪口を言うな」というきつめの命令文が花言葉となっているのは、なかなか珍しいものです。こちらもギリシャ神話が由来となっています。後述しますので、ぜひそちらも覗いてみてください。

クロッカスとギリシャ神話

クロッカスは、名前の由来、花言葉の由来すべてがギリシャ神話から来ています。ここまでギリシャ神話について引っ張ってきましたので、しっかりと詳しくご紹介致します。

まずは「不幸な恋」の由来からです。ギリシャ神話内で、オリュンポス十二神の一人で神々の伝令使、ヘルメスという神がいました。ヘルメスには、クローカスという美少年の婚約者がいました。結婚するまでもう少し、という時に悲劇は訪れたのです。

二人は冬の晴れた日、雪遊びをしに銀世界へと飛び込んでいきます。疲れるまで遊び続け、気づいたころには陽が沈み始め、風も出てきていました。二人は遭難を避けるために急いで帰り支度をします。

冷たい風が吹く中、ヘルメスは帰りのソリにクローカスを乗せます。続いてヘルメスが乗ろうとした途端、激しい突風が吹きました。突風に煽られヘルメスはソリに乗れず、クローカスを乗せたソリが走りだしてしまいました。

そのままソリは谷底へ真っ逆さま、ヘルメスは慌てて追いかけます。ですがここは一面の銀世界、おまけに風も強くなりだしたため、ヘルメスはクローカスを見失い、見つけることができませんでした。

遊び疲れていた上に、いくら探しても雪ばかりの視界に、ヘルメスはすっかり疲れ切ってしまいます。ですが、なんとかクローカスの落ちたであろう谷底に、ついにたどり着いたのです。

そこでヘルメスが見たものは、とても残酷で、救いようのない状態でした。クローカスが乗っていたソリはバラバラに砕け、クローカスは捨てられた人形のようにぐったりとしていたのです。ソリの周りはクローカスの血で真っ赤に染まっていました。

伝令神ヘルメスは、人の命を蘇らせる力はありません。どんな力を使っても、様々な方法を駆使しても、美少年クローカスの命が戻ることはありませんでした。

悲しみに暮れ、それでも諦めきれないヘルメスは、後日クローカスの落ちた谷底を訪れます。風の止んだ谷底へ降りると、なんとクローカスの血で染まった雪の部分に、たくさんの花が咲いているではありませんか。

ヘルメスは、この花はクローカスがくれた愛の証だとして、その花に「クロッカス」と名付け、「不幸な恋」という花言葉を付けました。とても悲しく、救いようのないお話ですが、ヘルメスの愛がクローカスに通じた様に思えます。

もうひとつのクロッカスのギリシャ神話は「愛の後悔」「裏切らないで」「あなたを待っています」という花言葉の由来となったお話です。クロッカスという美少年のお話には変わりませんが、お相手の女の子が変わっています。

美少年クロッカスは、街で出会った羊飼いの少女、スミラックスに恋をしました。ふたりは意気投合し、関係は大人になるまで続きました。

ついに結婚を前提としたお付き合いになったところで、神に向かって結婚を誓いました。ところが、神々はふたりの結婚を認めませんでした。やっと作り上げた二人の愛の絆が打ち砕かれ、絶望したクロッカスは自害してしまいました。

それを知ったスミラックスは悲しみに打ちひしがれ、そのまま後を追うように自害してしまいます。それを見た花の女神フローラは、ふたりを美しい花へと変化させました。

クロッカスは紫の美しい花へ、スミラックスは小さな白い花へと変えられました。「愛の後悔」は神に許されなかった恋をしたことから、「裏切らないで」はスミラックスから、先に自害したクロッカスへ向けて、「あなたを待っています」はスミラックスがクロッカスに会いたいという気持ちから付けられました。

このお話登場人物が異なる説もあります。このお話ではクロッカスの恋人はスミラックスですが、もうひとつは「リーズ」という少女、結婚を認めなかったのは神ではなくリーズの母親、二人を花に変えたのはフローラではなく、愛と美を司る神アフロディーテだった、という話があります。

アフロディーテの場合は、クロッカスをその花の名に、リーズは青いアサガオへと変えたそうです。どちらも話は似ていますので、どちらで解釈しても良さそうです。

「不幸な恋」と「愛の後悔」の話が合わさると、実質クロッカスは二人存在していたことになりますが、どちらか一方はクロッカスの花ではなく、クロッカスによく似たサフランの花だったとも考えられています。見た目は似ていますし、何色の花だったかは定かではありません。

「不幸な恋」は雪の中で遊んでいることから、秋~冬にかけて咲くサフランである説が高いです。「愛の後悔」の話に季節を感じさせる言葉は出てきませんでしたが、結婚を誓ったのが春だとしたら、春に咲くクロッカスと考えられますね。

とても長くなってしまいましたが、なんとも二人の悲しい恋のエピソードが隠されていました。ギリシャ神話に纏わる花言葉はクロッカスだけではありません。花に興味を持ったら、一度ギリシャ神話で調べてみると、意外な発見があるかもしれませんよ。

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クロッカスとサフラン

先述したクロッカスとギリシャ神話の話にも出てきましたが、クロッカスによく似た「サフラン」という花があります。こちらではその違い、見分け方をご紹介します。育てる際には参考にしてみてください。

まずは「クロッカス」です。アヤメ科のクロッカス属、またはサフラン属に入り、2月~4月の春に花を咲かせます。約80種類あり、食べることはできず、昔から観賞用として親しまれてきました。

そのため、一部では「春サフラン」や「花サフラン」と呼ばれています。一般的には黄色、白、紫に花を咲かせます。雌しべが黄色いことが特徴です。

つづいて「サフラン」です。同じくアヤメ科のクロッカス属、またはサフラン属に入り、10月~12月上旬の秋に花を咲かせます。一般的に紫単色で咲かせます。紀元前から食用、香料、染料、薬用として用いられています。

パエリアやサフランライスに使われる黄色は、このサフランの3つに分かれた赤い雌しべから得られたものです。今でもよく使われていますね。

見た目はとても似ていますが、咲く時期がそもそも異なります。そして最大の見分けるポイントは「雌しべの色」でしょう。クロッカスは黄色、サフランは赤と覚えると良さそうです。

よく料理をされる方なら、「食べられるのがサフラン、食べられないのがクロッカス」と覚えても良いですね。花の姿は似ていますが、食用かそうでないものかとなると、大きな違いだと思いました。

クロッカスの種類など花言葉に関する豆知識

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クロッカスは主にオランダで品種改良がおこなわれています。黄色を基本としてそこから色とりどりの花を咲かせる「クリサントゥス種」と白や紫系統で多くの春咲き種の元となっている「ヴェルヌス」の2つの原種があります。この2つから生み出された品種は約80種類ありますが、今回はその一部をご紹介します。

まずは「アドバンス」です。2月上旬のまだ寒い時期に咲くことから、別名「寒咲きクロッカス」とも呼ばれています。一般的なクロッカスに比べて小さめの花を咲かせ、花びらの外側がほんのり青紫色になっているのが魅力的です。

次に「イエローマンモス」という人気の品種です。クロッカスとして、そして園芸品種としてもとても人気の一種です。一般的なクロッカスに比べて大きめの花を咲かせ、色味は明るい黄色になります。春咲き種で2月下旬から3月にかけて開花しはじめます。

そして「クロッカスシーベリー」です。1月下旬の寒い時期に咲く早咲き種の一種で、小ぶりの花を咲かせます。中心部が白く、外側が濃い目の紫なのが特徴で、小ぶりな花ですが存在感はとてもあります。

最後に「ジャンヌ・ダルク」です。ヨーロッパでは2/14の聖バレンタインに捧げる花としてクロッカスが用いられており、ヨーロッパで最も有名な軍人であり聖人のジャンヌ・ダルクから名前が付けられました。

開花が3月~4月と少し遅めな、ヴェルヌス種の一種です。純白の花に、薄く紫色の線が入っているところが特徴です。まさにジャンヌダルクという名にふさわしい花だと思えますね。

このジャンヌ・ダルクは、別名「ホワイトクロッカス」とも呼ばれおり、ヒーリングエッセンスやアロマオイルとしても用いられています。主な効能は、悲しいことがあったときや辛い出来事のあとの脱力感を排除してくれ、心を閉ざしてしまった人の手助けになってくれます。

今では100円均一などでもアロマオイルは手に入れることができますが、このホワイトクロッカスのオイルは3000円~となっています。少し値が張りますが、その分効果は期待できそうです。

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クロッカスの誕生花

クロッカス全般の誕生花は1/4,1/21,1/31,2/10,2/24,4/7となります。黄色のクロッカスは1/3,1/26,2/6,3/9の誕生花になっており、紫のクロッカスには1/5,1/31,2/14の誕生花が付けられています。春一番を知らせる花ですから、基本的には早春の誕生花になっていますね。

クロッカスの名称・名前の季節

クロッカスの名前の由来は二つあります。一つは、先ほどご紹介した、ギリシャ神話に登場した美少年クローカス・クロッカスからその名が付けられた説です。神が愛した少年ですから、その名が使われるのもあり得る話です。

もう一つは、クロッカスの雌しべが、糸のように細く伸びていく姿から、ギリシャ語で「糸」を意味する「krokos」と付けられた説です。どちらも名前を付けるには十分なお話ですね。

ひとつはギリシャ神話から、もうひとつは見た目からこの名が付けられています。ギリシャ神話に実際に登場している少年ですので、もしかすると美少年クローカスの名前をとられた説が濃厚かもしれません。

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クロッカスの季節・開花時期

クロッカスの季節は2月上旬の早春です。市場には2月~3月に出回り、開花するのは3月~4月です。最盛期は3月ですので、買ってすぐでも咲いてくれることがあります。花持ちは10日程度あり、長く楽しむことができます。

クロッカスは苗ではなく球根から咲きます。球根の代表種としてチューリップがありますが、クロッカスはそれほど広い面積を必要としない、小ぶりの球根です。土に植えずとも、お皿やペールの上で水栽培することも可能です。

コツはそこまで必要としませんので、園芸初心者の方でも、気軽に室内で栽培を楽しむことができますよ。

まとめ

いかがでしたか?クロッカスとギリシャ神話に纏わるお話は読みごたえがあったかと思います。神話に登場する花は数知れず存在しますが、ここまで由来や話がはっきりしているものは、珍しい部類に入ります。

哀愁漂う花言葉を持ち、神に愛された花クロッカス、育てるのも簡単ですし、春一番を知らせてくれます。ぜひこの機会に、育ててみてくださいね。

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