ハルジオンの花言葉と由来・貧乏草と言われる理由を紹介!

いつのまにか庭に咲いていることの多い、白いふさふさした花は、「ハルジオン」というのをご存知でしょうか?それ以外にも道端やコンクリートの隙間、道路沿いでもよく見かけることがあります。

庭に生えていた場合雑草のように扱ってしまいますが、花言葉には悲しい物語が隠されています。また、ハルジオンにそっくりの花やその他の種類までご紹介いたします。なんてことのない花かもしれませんが、少し見る目が変わるかもしれませんよ。

ハルジオンの花言葉の意味

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ハルジオン特有の花言葉は、存在しません。名前にも入っている「シオン」という属名があり、似たような花の花言葉と一貫しています。つまり「紫苑」の花と同じ花言葉です。ですから、こちらで紹介できる花言葉は「シオン属の花言葉」となります。ご承知ください。

花言葉は「追憶の愛」「君を忘れない」「追想の愛」となり、少し悲しげな言葉が付けられています。この花言葉の由来は、平安時代を風靡した「今昔物語」とされているのが一般的です。

今昔物語の中にこのような話があります。それは巻第三十一の第二十七に「兄弟二人、忘れ草、紫苑(しをん)を植ゑし語」と始まります。仲の良かった兄弟の父が死んでしまった後の話です。

大切な父が死んでしまい、悲しみに暮れる兄弟でしたが、墓参りだけは毎日欠かさず行く約束をしていました。月日が経ち、兄は仕事を始める歳になります。忙しい日々が始まると、兄は墓参りに来れなくなってしまいました。

それでも弟は毎日墓参りを続けていましたので、来れない兄の代わりに「紫苑(しをん)」の花植えました。この様子をずっと伺っていた鬼が、弟の行動に感銘を受け、弟にある力を与えました。

それは先の出来事を見ることのできる「予知能力」です。この力を授かった弟は、兄と共に幸せに暮らしました、というお話になります。ここで弟が植えた紫苑は、現代だとハルジオンのことを指します。

この今昔物語に登場してきたことから、ハルジオンの花言葉として「追憶」「君を忘れない」とつけられました。なんとも悲しいお話ではありますが、鬼の粋な計らいにより、兄弟が幸せに暮らせたのでハッピーエンドと言えるかもしれませんね。

そしてもうひとつの花言葉「追憶愛」「追想の愛」は、ハルジオンの花姿から付けられました。ハルジオンの茎は、内部が空洞になっています。花が咲く前のつぼみの段階では、つぼみが重くて下を向き、まるで項垂れているかのように見えます。

この下を向いている姿が、「過去の恋愛を思い出している様子」に見えたことから、「追想の愛」「追憶の愛」と付けられました。確かに、ハルジオンのつぼみは下を向いていて、何か思い出しているように見えます。

そしてハルジオンは、現在でも道端などでよく見かける花ですよね。ふと目線を落とした時にハルジオンが視界に入ったとき、一度過去のことを思い出してもいい時かもしれません。あまり過去に捕らわれるのは良くありませんが、その時はその時なのではないでしょうか。

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ハルジオンの花言葉の英語の意味

日本語の花言葉でもご紹介致しましたが、ハルジオン固有の花言葉は存在しません。こちらでも、英語の「シオン属」の花言葉をご紹介させていただきます。

花言葉は「patience(忍耐)」「daintiness(優美、繊細)」「symbol of love(愛の象徴)」となります。日本では雑草のように扱われていますが、「優美、繊細」の花言葉に関しては、シオン属特有の細い花びらから付けられたのではないでしょうか。

「忍耐」に関してはシオン属、特にこのハルジオンが、どんな土壌でも生えることができる、強い根と繁殖力を持っていることから付けられたと考えられますね。どんな小さな花でも個別で花言葉が付けられているのが一般的ですが、なぜシオン属だけまとめられているかは不明です。

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色別で見るハルジオンの花言葉

ハルジオンは一般的には白に咲き、中には紫、ピンクに咲く場合があります。ですがハルジオンには色別の花言葉は付けられていません。やはりシオン属の一般的な花言葉と同じ言葉となっています。

ちなみに、その土地の空気がとても澄んでいると、ハルジオンは紫やピンクに咲くようになります。白に咲いている場合はその場の空気が淀んでいる、汚れているという事になります。

ハルジオンが貧乏草と言われる理由

ナズナのことを「ぺんぺん草」と呼ぶように、ハルジオンのことは「貧乏草(ビンボウグサ)」と呼ばれます。貧乏、という言葉は良い言葉ではありませんが、なぜこのような呼び方をされるのでしょうか?

その理由には諸説あります。日本の一部の地域では、「ハルジオンを折ると貧乏になる」「ハルジオンを摘んで帰るとその家が貧乏になる」という言い伝えがありました。その言い伝えがあることから、「貧乏草」と呼ばれるようになりました。

もうひとつは、ハルジオンの生命力が由来です。どんなに荒れた土壌や土地でも、生えることのできる生命力を持つハルジオンは、「手入れのできない貧乏な家でも生える」「貧乏な家の庭に生える(庭の土が乾燥している等の理由で弱いため)」と言われていました。

この二つの説が主な理由となって、「貧乏草」に呼ばれるようになりました。ハルジオンの茎は中が空洞なので、「中身がない」=「お金がない」というイメージがあったのかもしれませんね。

ハルジオンは確かにどんな土地でも咲くことができます。現代だとアスファルトやコンクリートの隙間からも生える姿を見かけますよね。このハルジオンの生命力はどんどん強くなっていき、1980年にはなんと除草剤に耐性のついた品種も自然と出てきました。

そして牧草や農作物の発育を妨げる雑草として、現在は要注意外来種として定められました。「強い生命力」というよりは、除草剤に耐性がついた辺りは「突然変異」とも言えそうですね。かわいらしい見た目ですが、農家からしたら天敵です。

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ハルジオンとヒメジョオン

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ハルジオンによく似た「ヒメジョオン」という花があります。そしてヒメジョオンも、ハルジオンのように強い生命力を持ちますので、並んで野に咲いていることも多々あります。こちらではハルジオンとヒメジョンを意外と簡単に見分けられるポイントをご紹介します。

まずはハルジオンの特徴からです。開花時期は4月から7月頃で、強い生命力があることから様々な土地で咲いています。草丈は30cm程とやや低く、花の大きさは中ぶりで、花びらは糸のように繊細です。一つの草から咲く花の数は少なく、また、根元には葉が生えています。

そして、葉はまっすぐに付け、茎を折ると中は空洞です。つぼみの時期には項垂れるように下を向いており、咲きだすと上に向くようになります。こちらがハルジオンの主な特徴です。

次にヒメジョオンの特徴です。開花時期は6月から10月頃で、ハルジオンと同じくどんな土地でも咲いています。草丈はハルジオンより高めの50cm程と高く、花の大きさは名前の通り小ぶりです。花びらにはやや幅があり、一つの草から多くの花を付けます。

茎を折ると中が白く詰まっていて、葉は茎を抱くように曲がって付けます。つぼみの時はハルジオンと違って項垂れず、まっすぐについています。また、根元には葉が生えておらず、すっきりとした見た目です。以上がハルジオンとヒメジョオンの主な特徴です。

見分ける最大のポイントとしては、やはり「茎を折ること」ではないでしょうか。花姿はとても似ていますし、ヒメジョオンの花びらに幅があるといっても、一目瞭然とまでは言えません。

自然に生えていますので少しかわいそうな気もしますが、茎を折って中が白く詰まっていればヒメジョオン、ポキっと折れて何も出てこなければハルジオンです。折らなくても、優しく茎をつまんであげてもわかるかもしれません。

もう一つは「根元を見る」ことです。ハルジオンの根元には葉がたくさんついていますが、ヒメジョオンの根元には一枚も葉がついていません。すっきりとしていて草丈も高ければヒメジョオン、葉がたくさん生えていて草丈が低ければハルジオンと見分けられそうです。

いかがでしょうか?少しわかりにくい気もしますが、なんとか見分けることはできそうです。もし、野にたくさんのハルジオンのような花が咲いていた場合は、茎を触って確かめてみてくださいね。

ハルジオンの種類など花言葉に関する豆知識

花言葉のご紹介で上述したように、ハルジオンは名前に「シオン」と入っていますが、「シオン属」の仲間ではありません。キク科・ムカシヨモギ属になります。このムカシヨモギ属はハルジオンを含めた4種類が存在しています。

まずはハルジオンに一番似ている「ヒメジョオン」です。北アメリカ生まれの帰化植物で、日本だけではなく世界中に分布しています。アメリカ生まれということで、別名「アメリカグサ」とも呼ばれています。

和名は、漢字で「姫女苑」と書きます。姫のような美しくも可愛らしい女性が集まっている苑(その・園)という由来でこの名前が付けられました。確かに小さなお姫様がたくさんいるような、可愛らしくも素敵な花ですよね。

次に「蝦夷昔蓬(エゾムカシヨモギ)」です。あまり聞きなれない名前ですが、もしかしたらこちらもよく見かける花の一種です。花の形が変わっていて、花びらは開いていますが、茎に向けてすぼんだ形をしており、まるでオシャレなビアグラスのようになっています。

花びらは少し幅のある細めで、色味は白に咲かせます。開花時期は8月の暑い時期で、別名を「オクムカシヨモギ」といいます。古くから分布が記録されていた花の一種です。

最後は「東菊(アズマギク)」です。他の種に比べて生命力はそこまで強くなく、土壌の維持された地や乾いた草原、海岸淵の草原など、日当たりのよい場所を好みます。

茎は他の種に比べて一番太く、毛も多めに生えています。花びらは淡いピンク色で少し幅があり、ヒメジョオンの花の形と良く似ています。開花時期は5月から6月頃と少し遅めです。

以上3種類がムカシヨモギ属の仲間たちです。他の花は100や200の交雑種を持つのに比べて、この属性はとても少ないですね。おそらく、交雑させる必要もないほど生命力が高く、また耐性をつけられることから、我々人類も研究することはなかったのかもしれません。

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ハルジオンの誕生花

ハルジオンの誕生花は4/14,12/12と付けられています。ハルジオンは冬には咲かない花ですが、冬まで咲けるほどの生命力があると例えられて、12/12にもつけられたのではないでしょうか。

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ハルジオンの名称・名前の由来

ハルジオンと同じキク科の仲間で、秋に咲く「紫苑(しおん)」という花があります。見た目も少し似ており、「春に咲く紫苑の花のようだ」と見立てられて、「春紫苑」と名付けられました。

名前が元々紫苑の花から来ているのなら、花言葉が紫苑のものと統一されてることにも納得がいきますね。

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ハルジオンの開花時期

ハルジオンは春の花ですので、4月から6月にかけて花を咲かせます。最盛期は大体5月ですが、基本的にはいつでも咲き始めます。市場に種が出回ることはありませんので、もし園芸品種として育てたい場合は、野に生えてるものを根っこごと持ち帰りましょう。

花壇などに埋めてしまうと、他の花を荒らすことになる可能性がありますので、できるだけ植木鉢や、観賞用として切り花にするのがよさそうです。

まとめ

いかがでしょうか?一般的には雑草のように扱われていますが、実は花言葉の由来には奥深い物語が隠されていましたね。そして、私たちがよく見かける白いふさふさした花は、ハルジオンかヒメジョオンかの区別がつくようになったかと思います。

これからも何かと見かけることの多い花だと思いますが、視界に入ったときは花言葉のように、少し昔を思い出してみても良いかもしれませんよハルジオンの花言葉の記事でした。

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