菊の花言葉の意味を紫・白・青・赤・オレンジ・ピンクなど解説!

日本では古くから愛されてきた菊の花。秋を代表する花としても知られており、見頃の季節になると各地で盛んに品評会が行われています。観賞用の他にも薬草や食用にできる品種もあり、切り花としても周年盛んに出荷されている植物の1つです。

そんな菊には、どのような花言葉がつけられているのでしょうか? 今回は菊の基本的な花言葉の意味やその由来、誕生花などをご紹介します。

菊の花言葉の意味と由来

菊の基本的な花言葉は『高貴』『高潔』『高尚』。その気品高い花姿と、皇室の御紋に定められていることが由来だとされています。ちなみに皇室の御紋に定められたのは鎌倉時代初期のこと。菊の花を好んだ後鳥羽上皇が、菊紋を皇室の御紋として用いたのが始まりなのだそうです。また、南北朝時代以降は、天皇より下賜されることによって、公家や武士の間で家紋として使用されるようになりました。その他にも明治維新の際には明治天皇から西郷隆盛に贈られるなど、菊には特別な花として扱われてきた歴史があります。

菊の花言葉である『高貴』は身分の高さを意味し、『高潔』は立派な人柄を意味し、『高尚』は上品であることを意味します。菊がどのように扱われてきたのかを見れば、このような格調高い意味を持つ花言葉がつくのも納得ですね。

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英語の菊の花言葉

ヨーロッパにおける菊の歴史は1789年、中国からもたらされたことに始まるとされています。ただし、当時はそれほど注目されていなかったらしく、実際に人気が出たのは、1860年に幕末の日本を訪れたイギリス人によって、様々な品種がイギリスにもたらされたことがきっかけだったそうです。

なお、英語での菊の花言葉は『cheerfulness(上機嫌)』『You’re a wonderful friend(あなたはとても素晴らしい友達)』。色別の花言葉もあり、赤い菊だと『I love you(あなたを愛しています)』、白い菊だと『truth(真実)』、黄色い菊だと『slighted love(軽んじられた恋)』となります。

色によって意味が異なる上に、あまり良くない意味の花言葉もありますのでプレゼントに選ぶ際は気をつけましょう。

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色別で見る菊の花言葉

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英語での花言葉と同じく、日本での花言葉も色別によって違いがあります。ここでは色別による花言葉の意味を見ていきましょう。

紫の菊の花言葉

非常に珍しい紫の菊の花は、品種改良によって誕生した新しいものです。こういった新しい色の花には特定の意味を持つ花言葉がない場合が多く、基本的な意味の花言葉を用いることが多いようです。

ただし、濃い紫色の菊には『私を信頼して下さい』『恋の勝利』という花言葉があります。これは濃い紫色というのが、上品で勝ち気なイメージがある赤紫色が多いことに由来しています。

また、菊に限らず人工的に作られた色の花には『夢が叶う』という花言葉がつけられることが多いようです。おそらく、これまで存在しなかった花色を実現させたことに由来していると思われます。

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白の菊の花言葉

白い菊の花言葉には、英語の花言葉でも紹介した『真実』の他にも『誠実』『あなたを慕っています』といった意味があります。

菊に限らず何色にも染まらない純白は、嘘偽りのない状態や誠実さ、純粋さを意味する花言葉がつけられることが多い花色です。白い菊は可憐な見た目と枯れにくいこと、そして花言葉も縁起が良いことから結婚式のブーケに使用されることもあるそうですよ。

ただし注意点もあります。白い菊は葬儀に用いられることが多い花でもあるため、お見舞いの花として使うのはNGなのだそうです。このように花言葉の意味が良くてもNGとされる場合もありますので、贈り物にする際には気をつけましょう。

青の菊の花言葉

青い菊は品種改良によって誕生した新しい花色であるため、特定の花言葉はまだありません。花言葉を使いたい場合は、基本的な意味の花言葉を使いましょう。

赤の菊の花言葉

赤い菊の花言葉は『愛情』。赤い色の花は、その情熱的なイメージから恋愛に関する花言葉をつけられることが多いのですが、菊もその例にもれないようです。恋人に贈るのに最適な花言葉ですね。

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オレンジの菊の花言葉

陽気で明るく、赤や黄色とはまた違った華やかさを持つオレンジ色の菊の花。残念ながら、品種改良により誕生した新しい花色であるため、特定の花言葉はありません。プレゼントなどで花言葉を使いたい時は、菊の基本的な意味の花言葉である『高貴』『高潔』『高尚』を、状況に合わせて使うのがおすすめです。

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ピンクの花言葉

ピンク色はその可憐なイメージから、花の種類を問わず可愛らしい意味を持つ花言葉がつけられることが多い色です。ピンク色の菊の花言葉も同じく『甘い夢』という、何ともロマンティックな花言葉がついています。お付き合いしたての相手へのプレゼントにいかがでしょうか?

菊の種類など花言葉に関する豆知識

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日本で菊が盛んに用いられるようになったのは、平安時代のこと。それまでは自生種はありましたが栽培菊はなかったらしく、100を越える植物を歌の題材として扱っている『万葉集』にも菊を詠んだ歌はないそうです。

そのような状態から抜け出せたのは、奈良時代末期もしくは平安時代初期に、中国から栽培菊が導入されたことがきっかけだと推定されています。現に『古今和歌集』あたりから、歌の題材としても用いられるようになりました。

菊の花は当初は貴族の間で親しまれていましたが、時代が下るにつれて庶民の間にも普及していきます。そして江戸時代に入って育種が盛んに行われた結果、たくさんの品種が誕生しました。さらにこれらの品種が中国に逆輸入されたり、欧米へ渡ったりしたことで、独自の発展を遂げていったのです。

菊の種類

菊の種類は、大きく分けると日本で作られた「和菊」、欧米で作られた「洋菊」の2つ。その他にも花びらを食用とする「食用菊」があります。さらに言うと「和菊」には「古典菊」、花びらのサイズによって分けられた「大菊」「中菊」「小菊」があります。それぞれの特徴や代表的品種などをご紹介します。

古典菊

古典菊とは、主に江戸時代より盛んになった菊の育種によって生み出された品種を指します。江戸だけでなく、伊勢や京都など日本各地で独自の品種群や系統が誕生しています。

1.江戸菊:名前の通り江戸(東京)を中心に発達した品種で、「正菊」と称されたほど広く親しまれていました。咲き進むごとに花びらの形が変化する特徴を持つことから「狂い菊」「芸菊」「舞菊」という別名があります。また、菊は秋に咲く花ですが、江戸菊は季節外れに咲く狂い咲きが多いことでも有名です。

2.嵯峨菊:大沢池の菊ヶ島に自生していた野菊を元に、京都の嵯峨野で育成されたという品種。細長い一重咲きの花びらが直立しているのが特徴です。最も古い系統の古典菊として日本三大名菊の1つに数えられているという、格調高い品種でもあります。

3.美濃菊:美濃地方(岐阜県南部)で発達した品種。羽島市北部に自生していた野菊を元にして生み出されたものだとされています。蓮に似た大輪の八重咲きが特徴の優雅な花です。

大菊

大菊とは、花の直径が20cm前後の和菊のこと。1つの茎に1輪だけ残して楽しむことが多い花です。花の形によって分類されます。

1.厚物(あつもの):花びらの先端部分が中心に向かってこんもりと盛り上がった形状のものを指します。代表的品種は『銀河』や『初瀬』など。

2.厚走り(あつばしり):形状は厚物と似ていますが、こちらは外側が長く垂れ下がっている特徴があります。代表的品種は『郡山の雪』『雪山』。

3.大掴み(おおつかみ):花の上部がまるで両手で掴んだように見えることから、この名前がつきました。外側の花びらが垂れ下がっているのも特徴です。奥州地方で発達した品種群であることから「奥州菊」という別名があります。

4.管物(くだもの):管弁(くだべん)と呼ばれる管状の花びらが放射線状に広がっているのが特徴。管弁の太さによって太管(ふとくだ)、間管(あいくだ)、細管(ほそくだ)などに区分されています。

5.一文字:一重咲きの花で、皇室の御紋になっていることから「御紋章菊」という別名があります。代表的品種は『国の光』『星の海』『白冠の輝き』など。

中菊

元々は花の直径が9cmから18cmほどの和菊を指していましたが、現在ではスプレーマムなどの洋菊も含まれるようになりました。仏花や切り花などに重宝されています。

小菊

花の直径が9cm未満の小さな和菊を指します。鉢や花壇で育てたり、ミニ盆栽や菊人形など、色々な仕立てで楽しめるのがこの品種群の特徴です。

スプレー菊

欧米で生み出された洋菊で、スプレーマムとも言います。ちなみにスプレー(Spray)とは「先が分かれた枝」という意味。その名の通り、小枝の先に直径3cmから6cmほどの小さな花をたくさんつけるのが特徴の品種群です。

花色も豊富ですが、鉢植え用の「ポットマム」や草丈の短い「クッションマム」など種類も豊富。切り花としても生産されており、仏花などの用途にも使用されています。

食用菊

青森県八戸市などの東北地方、山形県、新潟県の中越から下越などで栽培されている品種群で、花びらのみを食用とします。主な調理法としては、茹でてお浸しにしたり、酢の物や天ぷら、吸い物といったものがあります。旬の季節は秋です。

代表的品種に「もってのほか」という別名を持ち、奈良時代には既に食用とされていたという古い品種の『延命楽』があります。

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菊の誕生花

菊の誕生花は、赤い菊が10月1日と11月27日と12月13日、黄色い菊が11月3日、白い菊が11月23日です。

名称・名前の由来

菊の名前の由来は諸説あり、1つは当時の中国の漢音が語源になったというものがあります。これは菊の花が中国から渡来してきた史実に由来しています。

そしてもう1つは「窮(きわ)まる」という言葉が語源になったというもの。1年の最後に咲くことに由来しているそうです。

ちなみに菊の英語名「chrysanthemum」は、ギリシャ語で「黄金」を意味する「chrysos」と、「花」を意味する「antgemon」を合わせたものが語源となっています。

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季節・開花時期

秋の花の代表格とされている菊ですが、実は種類によって開花時期が違います。最もよく知られている秋に咲くものを「秋菊」といい、見頃は10月下旬から11月頃。そして6月から7月に見頃を迎えるものを「夏菊」、12月から1月の寒い時期に咲くものを「寒菊」と呼んでいます。

また、菊は日が短くなると花芽をつける性質を持っているのですが、この性質を利用した栽培方法が確立されています。それが「電照菊」です。

「電照菊」とは、花芽が形成される前に人工的な光を当てることによって、開花時期を遅らせる栽培方法です。この方法によって切り花を周年出荷・販売することが可能になりました。

まとめ

菊について色々とご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか? 気高く、鮮やかに咲く菊の花。贈り物にするだけではなく、自分へのご褒美として部屋や庭の彩りに加えてみるのもおすすめです。

また、菊の花の品評会やイベントは各地で盛んに行われていますので、機会がありましたら行ってみるのも良いですね。よく手入れされ、美しく仕立てられた菊の花は、きっと目と心を和ませてくれるでしょう。

最後までご拝読いただき、ありがとうございました。

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