木蓮(モクレン)の花言葉の意味を英語・色別で紹介!

木蓮(モクレン)は中国では「高貴な花」として今でも愛されている、凛々しい花です。一般的には白か紫の木蓮を見かけることが多いと思います。木蓮は春の桜の時期に咲く花ですから、あまり花に興味がない方は注目することは少ないかと思いますが、実は木蓮には、ある中国の伝説が隠されています。

今回はその木蓮の伝説のご紹介、そして木蓮の花にそっくりな「辛夷(こぶし)」との見分け方などを、木蓮の花言葉のご紹介とともにお伝えしていきます。

木蓮の花言葉の意味

木蓮の花言葉には素敵なものと、考えさせられるものがあります。木蓮の花言葉は「自然な愛」「崇高」「持続性」「高潔な心」「慈悲」「恩恵」「荘厳」と、たくさん付けられています。それぞれの由来がはっきりとわかっている貴重な花言葉です。

まず木蓮の花言葉の「自然の愛」の由来は木蓮の花姿から来ています。様々な種類の花が咲く春に、木蓮も同じように咲き誇ります。枝に紫の花をつけ、大きく春の空を仰ぐ姿が、木蓮自身も春の気持ちよさを謳歌しているように見えたことから、この花言葉が付けられました。

自然に生えた花自身が、その豊かな春という季節を楽しんでいるように見えたというのは、なんだかロマンチックな見え方ですよね。続いて「持続性」の花言葉の由来についてです。

恐竜がいた時代の地層や化石の中に、この木蓮の仲間の化石も発見されました。このことから、木蓮は地球上で最も古い花木だとされています。種の歴史としては、約1憶年以上前から、今の花姿と同じように咲いていたといわれています。

1億年、とはいうものの、全く想像のできない世界ですよね。そんな古くから存在していたことから、「持続性」の花言葉が付けられました。1億年前から今も変わらず咲いている花は、この木蓮だけです。

「崇高」「高潔な心」という花言葉には中国が関わっています。木蓮の原産国といわれており、昔は生薬として人々を助けていました。中国の花と言えば「ハス(蓮)」と「ラン(蘭)」かと思いますが、同じようにこの木蓮も中国では高貴な花として愛されていました。

地に咲く花とは思えない花姿、凛とした魅力から「崇高」の花言葉が付けられました。我々人間が息をし始める前から咲き続けている、木蓮ならではの花言葉です。

続いて「恩恵」という木蓮の花言葉は、木蓮の性質から付けられています。木蓮はつぼみの時、南側に日が良く当たるため膨らみを持ちます。そのため、つぼみの先端は必ず北の方角を指すようになります。

この性質から「コンパス・フラワー」と呼ばれています。山や森などで方位磁石代わりになるため、道に迷った登山家や、森で迷子になってしまった際に人々を正しい方角へ導き、助けてくれました。

道しるべとしての「恩恵」をもたらすことを表して、この花言葉が付けられました。もし、街中で木蓮のつぼみを見かけたら一度観察してみて、自分がどの方角にいるのか確認してみるのも面白いですね。

そして「荘厳」の木蓮の花言葉は、木蓮が枯れ落ちる時の姿から付けられています。木蓮の花はとても大きく立派な花姿ですが、ガクは3枚、花びらは6枚の構成でできています。その大きな花の命は、わずか3日から4日ほどしかありません。

4日目の枯れ落ちる時、花びらが散るのではなく、花ごと落ちていきます。その際に花びらが固いため、地面につくときに「ボトッ」と音を立てます。その姿が、まるで「自分がここにいたことを最後までわかっていてほしい」ということを訴えかけるかのように見えたのです。

この姿から「荘厳」という花言葉が付けられました。なんとも儚い姿に散り際まで魅了される様子を表していますね。

最後に少し寂しい木蓮の花言葉、「慈悲」の由来は、中国のある伝説に纏わっています。これは「白木蓮(ハクモクレン)」の花言葉でもありますので、「白の木蓮の花言葉」と欄にて後述させていただきます。なんとも悲しい伝説ですよ。

木蓮全般の花言葉を通して、ある時はコンパスフラワーとして人を助け、ある時は自然の中で開花を楽しんでいる、そして中国からは高貴として愛されている、なんとも悪いところのないような、美しい花だと思いました。

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木蓮の花言葉の英語の意味

英語での木蓮の花言葉は「love of nature(自然への愛)」「nobility(崇高)」「perseverance(忍耐)」「dignity(威厳)」となり、日本語の花言葉とさほど意味は変わりません。

「持続性」が「忍耐」になり、「荘厳」は「威厳」となっています。言葉は違えど、木蓮の花を見て感じたことは同じのようですね。

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色別で見る木蓮の花言葉の意味

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木蓮には多くの色味はありません。一番メジャーな色は紫です。次に白、ピンク、黄色となっていきます。園芸用には黄色の木蓮が人気だそうです。

白の木蓮の花言葉の意味

白の木蓮は「白木蓮(ハクモクレン)」と呼ばれます。木蓮と同じ仲間ではありますが、紫木蓮(シモクレン)など、木蓮は色味を付けて名前が付けられていることが多いようです。

中国で最も愛されている木蓮は、この白木蓮です。花言葉は「高潔な心」「慈悲」となり、木蓮全般でも使われています。この花言葉には、悲しい中国の伝説が隠れていました。

その昔、中国には高上玉皇大帝(こうじょうぎょくこうたいてい)という神様がいました。通称・玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)は中国道教内では最高の神様で、そして天界・その地下地底に住むあらゆるものを支配する力の持った神様でした。

玉皇大帝には美しい一人の娘がおりました。その娘は一般的な青年には目もくれず、北の国の王子に恋い焦がれていました。その恋の最中でも、父の政治的な婚約の話は次々と舞い込んできます。

娘はその話や父のことに嫌気がさし、家を飛び出してしまいました。向かった先は恋のターゲットがいる北の国でした。ですが、娘が飛び出した時点で、北の国の王子はすでに結婚していたのです。

それを知らずに北の国へ到着した娘は、王子が結婚していたことに絶望してしまいます。かなりのショックを受けた娘は自殺してしまいました。北の国の王子がその娘の葬儀に出たときに、「自分のことを愛して死んだ」と玉皇大帝から聞くことになります。

それを知った北の国の王は驚いて、その葬儀の後、なんと自分の妻である王妃を毒殺しました。「自分はなぜその想いに気づけなかったのだ」と、恋心に捕らわれた故の良くない行動を起こしてしまったのです。

恋に絶望した娘の死と、その想いに気づけず王妃を殺した王、そして夫の浮ついた心のせいで突然殺された王妃を、玉皇大帝は哀れに思いました。せめてものの償いとして、娘と王妃の墓から花を咲かせました。

娘の墓からは白木蓮を、王妃の墓からは紫木蓮(シモクレン)が咲き、これらの伝説から「高潔な心」「慈悲」という花言葉が付けられたといわれています。それで白木蓮の花言葉も、木蓮全般と同じなのかもしれませんね。

なんとも悲しい伝説の1ページが、この白木蓮には隠されていました。この伝説に出てきた玉皇大帝は、事実上の最高神として君臨していました。今でもその名残のある地域ではお祭りが開かれるそうです。

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白木蓮とこぶしの違い

白木蓮にそっくりな「辛夷(コブシ)」という白い花が存在します。もしかすると辛夷のことを木蓮と呼び、木蓮のことを辛夷と呼んでいるかもしれませんね。こちらでは、白木蓮と辛夷の見分け方をご紹介します。

まずは白木蓮の特徴からです。モクレン科・モクレン属で、天を仰ぐように白い花を咲かせます。花の大きさは8cmから10cm程で、花びらには厚みがあり、幅が広めです。開花時期は3/10頃から4/10頃の上旬です。花持ちは2日か3日ほどですが、その間花の付け根に葉を付けません。

続いて辛夷(コブシ)の特徴です。同じくモクレン科・モクレン属で、いろんな方向を向きながら白い花を咲かせます。花の大きさは4cmから5cm程で、花びらはとても薄く、幅がとても狭めです。開花時期は3/15頃から4/15頃と、白木蓮より少し遅めです。花が咲いている間、花の下に葉を一枚付けています。

以上がそれぞれの特徴です。いざ白木蓮と辛夷が並んでいて、見分けようとしたときにまず最初に見るべきポイントは、やはり「花の形」です。すぼんだように咲く白木蓮に対して、辛夷は開ききって咲いています。

次に「花の付け根辺り」です。つぼみではなく、咲いている花の付け根に葉がなければ白木蓮、葉があれば辛夷です。開花時期はどちらも近いため、見分けるには「花の形」と「花の付け根辺り」を見るのが最適なポイントかと思います。

ここまで読んでいただき、写真を見比べてみれば一目瞭然で見分けることができるかと思います。もし街中や園芸店で見かけたときは、見比べて区別してみてくださいね。

木蓮の種類など花言葉に関する豆知識

白木蓮の花言葉をご紹介しましたが、王妃の墓に紫木蓮の花が咲きましたね。実は皆様が木蓮と呼んでいる花木こそ、この紫木蓮のことなのです。場合によっては、白木蓮のことも「木蓮」と総称している図鑑もあります。

基本的にはモクレン属のモクレン科に属します。こちらではその木蓮の種類をバラけさせて、白木蓮や紫木蓮などの特徴をご紹介致します。

まずは「白木蓮(ハクモクレン)」です。別名を「玉蘭(ギョクラン)」と呼ばれており、その名の通り純白の花を咲かせます。樹高は約10mから15mまで育ち、大きく分かれた枝の先に花を付けます。モクレン属であり、木蓮の仲間ではありますが、厳密には異なります。

他の木蓮に比べて花持ちが短く、わずか2日か3日しか花を咲かせません。花びらはとても分厚く、満開になると香りが強くなるのが特徴的です。中国で生まれた白木蓮は、故郷中国では「木蘭(ムウラン)」と呼ばれています。

この呼び方は、白木蓮から蘭の花に似た強い香りがするからだそうです。中国の昔の記録には「杜蘭(モウラン)」や「玉蘭(ギョクラン)」と残されていて、よく白木蓮の木を船の材料に用いていたそうです。今ではこの白木蓮の芽を摘んで、薬剤に用いられています。

少し話はそれますが、ディズニーに「ムーラン」という映画があります。他の作品に比べて少しマイナーな作品かもしれませんので、ご存じない方もいらっしゃるかと思います。

このムーランは、実際に存在する中国小説「木蘭(ムウラン)」を題材に作られました。主人公の名前は木蘭ですが、ディズニー映画では日本語呼びの「白木蘭」となり、題名はそのまま「ムーラン」とついています。気になった方は見てみてくださいね。

続いて「紫木蓮(シモクレン)」です。中国生まれの帰化植物で、庭木として植えられることが多いため、観賞用として愛されています。葉の両面にうっすら毛が生えていますが、成長に伴って消えていきます。

樹高は15mほどまで成長し、高い位置でたくさん枝分かれをします。その枝先で花びらの外側を濃いめの紫色、内側を薄い紫色の花を咲かせます。日を十分に浴びてからポンポンと咲きだしますので、同じ木でも開花時期は異なる場合があります。

最後に「更紗木蓮(サラサモクレン)」です。桜のようなほんのりとしたピンク色に咲き、また開花時期も桜と近い3月~4月のため、別名「桜木蓮(サクラモクレン)」と呼ばれています。紫木蓮と白木蓮を掛け合わせた品種です。樹高は5m~10m程で、他のモクレン属よりは中型です。

以上がポピュラーなモクレン属の仲間たちです。木蓮に似た花をすべて「木蓮」と呼んでしまわずに、今度からはそれぞれの名前で呼べるといいですね。

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木蓮の誕生花

木蓮の誕生花は1/8,2/19,4/15,5/7,7/4です。早春に咲きますが、意外と春の誕生花としては4/15のみのようですね。誕生花は基本的には神話や伝説が元としてつけられていますので、木蓮の咲かない5/7や7/4は、何か神話に基づいた由来があるのかもしれませんね。

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木蓮の名称・名前の由来

木蓮は中国生まれの花で、元々「木蘭(モクラン)」と呼ばれていました。この花の形が蘭の花に似ていることから、「木に咲く蘭の花」としてこの名前で呼ばれていました。

今では、蘭の花より「蓮(ハス・レン)」の花に似ていることから、最終的に「木に咲く蓮の花」となり「木蓮」と呼ばれるようになりました。名前が途中から変わるのはなかなか珍しいケースですね。

学名は「Magnolia Liliflora(マグノリア・リリフローラ)」といいます。18世紀フランスはモンペリアにて活躍していた、植物学教授の「Magnol(マグノル)教授」から付けられました。なぜマグノル教授から付けられたかは不明ですが、中国からフランスに渡った際に、最初に研究した人物だという説もあります。

木蓮の開花時期

木蓮は春の花として古くから中国で愛されています。同じように日本でも、桜が咲くまでの間に楽しむことのできる、春の観賞花として用いられています。木蓮の開花時期は3月~5月、最盛期は4月です。花持ちは紫木蓮は3日~4日、白木蓮は2日~3日と短めです。

市場に種が出回るのは3月~5月ですので、植えてからうまくいけばすぐに咲いてくれます。できれば2月ことから植えるのがベストです。

木蓮の花言葉のまとめ

ここまでモクレンの花言葉を紹介していきましたが、いかがでしたでしょうか?今まで木蓮と一まとめに呼んでいた花だったと思いますが、今回ご紹介した内容でそれぞれ違う名前があったことがおわかりいただけたかと思います。

合わせて白木蓮には伝説が大きく関与し、紫木蓮はその伝説の中で咲いた花でした。また、辛夷との見分け方もこれでバッチリかと思いますので、街で見かけたときに友達に言えると、ちょっと物知りなイメージになれるかもしれませんね。

木蓮の花言葉でした。

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