あやめの花言葉をシャーマンアイリスなど種類別で解説!

白や寒色系の妖艶な花を咲かせる「あやめ」。どれもみな優れて優劣が付けられないことや、どれも似ていて見分けがつかいないと言った例えにも使われる花の名前です。それとリンクしているかのように、あやめにまつわる花言葉の世界もチョットだけ複雑。

これからご紹介するのは、その「あやめ」にまつわる花言葉の数々と由来となった興味深い数々のエピソードです。どこか和のテイストで、これまであまり馴染みがなかったという方にも楽しく、できるだけわかりやすい解釈でお伝えしていきます。

あやめの花言葉

あやめ全体に共通する花言葉を見ていくと非常にたくさんの意味があることに驚かされます。基本的には美しくポジティブな意味が多く、「愛」「天の使者」「叡智」「言葉」「優雅さ」「神秘的」「朗報」「信じる者は救われる」「希望」などがあります。

名のIris(アイリス)というのはギリシャ神話における虹の女神Iris(=イリス)を由来とした名前。イリスは天界のサポートが必要になった際に地上と天とを行き来をすべく虹の橋をかけたとされていますので、「天の使者」という解釈は彼女がおこなった偉業そのもの。

さらに「神秘的」「朗報」「信じる者は救われる」などの花言葉も神話のエピソードにちなんだ花言葉の解釈と考えられます。もちろん、あやめの姿は優雅で美しい女神の象徴ともとれますので「優雅さ」や「愛」も納得の花言葉だと言えそうです。

一般的な花言葉は色の違いで解釈が異なるものが多いのですが、バリエーションがあるにもかかわらず固有の花言葉と解釈されているのは何と「白」だけ。白のあやめは色のイメージそのままに「純粋」「優しさ」「あなたを大切にします」の意味があります。

ただしここからが「あやめ」にまつわる花言葉の複雑なところ。あやめそのものの種類・姿かたちが似ていることから間違いやすいカキツバタやアイリスの花言葉とも微妙にリンクしているのがあやめの花言葉を難しくしている点です。

次は花言葉の世界に欠かせないポイントの中から、発祥である英語圏での解釈、さらにあやめと関連した種類別の花言葉も探ってみたいと思います。

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英語のあやめの花言葉

英名で調べるとその多くがIris(アイリス)と書かれているあやめ。英語圏における花言葉はというと、「friendship(大切な友情)」「wisdom(知恵)」「faith(信仰)」「hope(希望)」などで表現されています。愛や神秘的など抽象的な解釈があった全体の意味に比べ、こちらはより具体的でわかりやすい表現が使われているのが特徴です。

あやめは日本で古くから愛されている花のようですが、「アイリス」という名前を聞いてピンときた方もいらっしゃるのではないでしょうか。世界一高価で希少価値の高い香料として知られているこのアイリスは、正確に言うとあやめ・カキツバタ・ハナショウブなどアヤメ科の植物を総称している名前となっています。

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あやめの種類別の花言葉

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とても間違いやすいアイリスの総称。それもそのはず、このアヤメ科に分類される植物は世界中でおよそ200種以上もあるのです。花言葉に至ってはとてもすべてご紹介できませんが、同じアヤメ科の中でも特にあやめとの区別がつきにくく間違われやすい植物、なおかつ私たちの身近にもあるシャーマンアイリスとカキツバタの花言葉をご紹介したいと思います。

ジャーマンアイリスの花言葉

ジャーマンアイリスは別名「虹の花」まはたレインボーフラワーとも言われます。これは英名の由来ともなったイリスのエピソードにちなんだものですが、実際にアイリスの中でもひと際華やかな見た目がジャーマンアイリスの特徴です。その花言葉には、「炎」「優雅さ」「情熱」「私は燃えています」「恋のメッセージ」の解釈があります

ジャーマンアイリスの花言葉の意味は?と問われたらフリルのドレスをまとったような花びら、優雅な香りなどドラマティックな姿そのものの意味と解釈していいでしょう。またこの花は歴史的にも古く、紀元前1500年ごろのエジプトで建造されたファラオの墓石にジャーマンアイリスの花を確認することができます。

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カキツバタの花言葉

一目見ただけではあやめと違いが分かりにくいカキツバタ。その花言葉は「必ず幸福が訪れる」というものです。あえてあやめに寄せて考えると朗報や希望がこれに近い解釈でしょう。自生のイメージは、じっと待ち続ける前向きな花言葉に反映されているのかもしれませんね。

今回の主役であるあやめ・花菖蒲(ショウブ)・カキツバタは3大紛らわしい花の一つといっていいものです。よほど植物に詳しい方でない限り見分けはつきにくく、パソコンで「あやめ」と入力してもショウブと同様の「菖蒲」に漢字変換されるなど難解であることは確か。結果的に花言葉さえも入り乱れているというのが本当のところではないでしょうか。

今回あやめの花言葉を探って下さったあなたのために、この疑問を解消すべくあやめをダイレクト見分けるポイントをご案内したいと思います。

あやめ  :花の中央に網目の模様。水はけの良い草地に群生している。花は紫色または白。

カキツバタ:花の中心が白色で目の形に見える。水気の多い湿地に自生している。

ハナショウブ :あやめを品種改良した園芸種。観賞用で植えられているもののほとんどはショウブや花ショウブ。色も紫や白、黄色、複色など多彩なのが特徴。

ご参考になれば幸いです。

あやめの種類など花言葉に関する豆知識

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さて、たくさんの仲間を持つあやめですが、国内で見ることのできる原種としては主に4つが有名です。

戸畑あやめ:日本原産のあやめに代表されるもので、名前の由来は福岡県北九州市の戸畑地区。明治末期ごろまではこの地域にしか自生していなかったためこの名が付いたと言われます。

ヒオウギあやめ:直径が8センチ、草丈が70センチほどにもなるビッグサイズのあやめです。北海道から中部地方に分布していますが、以外にも花もちは短く朝に美しい姿を見せても夕方には枯れてしまうのが特徴です。

三寸あやめ:ヒオウギあやめと対照的にコンパクトで可愛らしいのが三寸あやめで、鶏のチャボを模した「チャボあやめ」の別名も持っています。花が葉の上に咲く珍しさも特徴の一つです。

サキガケあやめ:一般的なあやめより早く開花することからこの名が付いたのが、サキガケあやめです。ピンと伸びる葉が特徴で、濃い紫色の美しい花を咲かせます。

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あやめの誕生花

日本に古くから存在する原種、総称としてのアイリスなど多くの側面をもつあやめの花。その花がもっとも美しい時期の誕生に添えられる誕生花としてはどう位置付けられているのでしょうか?

あやめは5月から6月にかけて贈るにふさわしい季節の花。特に5月3日・5月6日・5月12日・5月18日・6月1日・6月6日という解釈が一般的になっています。自生する姿が美しく、本来のあやめを切り花で贈りたいなら花が開いた状態のものがおすすめ。日持ちさせたいからと蕾の状態では開く前に枯れてしまうこともあるので注意が必要なようです。

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名称・名前の由来

あえて「あやめ」とひらがなでご紹介してきた花の名前。先ほどパソコンでは菖蒲と変換されてしまうことにもふれました。しかし実際にはこの花の名前の由来となった「文目」や「綾目」と言う漢字をあてているものもあります。

文目や綾目は、花を見分けるポイントでもある花びらの中央にある網目状の模様を指しており、これが「あやめ」という和名がついた由来の一つと解釈されています。また歴史をさかのぼると、元々のあやめは「アヤメグサ」というサトイモ科の植物を指していて、現在のあやめとは差別化されていたとする説もあります。

これら2つの説はあやめの由来として実際目にすることもできる要素。では目にはできなくても素敵なエピソードが隠れていたとしたらどうでしょう?イリスが登場するギリシャ神話のおさらいに加え、あやめにまつわる日本の伝説からも名前の由来を紹介しておきます。

ギリシャ神話より:イリスが虹の女神となるきっかけのエピソード

イリスは全知全能の神ゼウスの妻であるヘラに使える女官のひとりでした。次第にゼウスから好意を寄せられるようになり困ったイリスは、自ら別の仕事に変えて欲しいとヘラに懇願します。夫の行為を知るとともに誠実なイリスに感動したヘラは神酒でイリスの頭を清め、大空を舞うことのできる翼と虹色に光るネックレスを彼女に授けました。その時、イリスの頭からこぼれ落ちた神酒のしずくがアイリス(あやめ)の花になったというものです。

源平盛衰記より:源頼政(みなもとのよりまさ)とあやめ御前の伝説

武将として、歌人としてまさに文武両道の男としてその名を馳せた源頼政。彼の生涯には4人の妻がいたとされますが、鳥羽天皇のお妃(あやめ御前)にも一目ぼれをしてしまいます。それを知ったは鳥羽天皇は、頼政が行ったヌエという妖怪退治の褒美として、妻のあやめを取らせようと考えました。

ただしその方法はというと、あやめを含む3人の女性に同じ着物と化粧を施し、その中から本当のあやめを探し出させる趣向だったのです。歌人としては右に出るものなしの頼政も機転が利いていて、その思いを和歌に託してこう告げます。

「五月雨に沼の石垣水越えて いずれかあやめ引きぞわずらふ」意味を簡単に解説すると、私の気持ちは雨で石垣を越えてあふれ出した沼の水のようです。どれがあやめの花か迷っているうちに病んでしまいそうだといった内容です。

この和歌を聞いた鳥羽天皇はあらためて頼政の才覚に魅了され、あやめを頼政の妻として送り出したと言われています。水に埋もれた花を意中の人の名にするところが、和歌名人らしい言葉遊びといったところでしょうか。

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あやめの季節・開花時期

春から梅雨のはしりにかけて咲くあやめは、5月に最も美しい花の見ごろを迎えます。乾燥気味の草原を好んで咲く花ではありますが、雨に濡れた群生もまた素敵なものです。

まとめ

今回は、あやめの花言葉を中心にお伝えしてみました。和テイストのあやめとアイリスというアヤメ科の総称のつながりが少しでもお分かりいただけたなら嬉しく思います。

あやめでよく使われることわざには「いずれがアヤメかカキツバタ」というものがあります。まさに似すぎていてどれがどれだかわからないとの例えですが、この由来となったのも実は源頼政のエピソードなのだと言われていますよ。

成り立ちに歴史や神話のエピソードがたくさんつまった花言葉の世界からまだまだ目が離せそうにありませんね。

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