水仙の花言葉の意味!黄色・由来などを紹介!

寒さの厳しい冬から春にかけて可憐な花を咲かせる水仙は、日本の各地で自生する姿を見ることのできる球根植物です。栽培に特別なテクニックを必要としない水仙はガーデニング初心者にもおすすめで、特に寂しくなりがちな冬の庭では重宝される花の一つに挙げられます。

身近なところでは黄色や白の水仙が一般的ですが、実は種類も豊富で花言葉の意味もそれぞれ特徴的です。今回は水仙の花が持つ花言葉の世界をご紹介しながら、名前の由来となった神話のエピソードにも触れていきます。

水仙の花言葉の意味・由来

水仙の花全般では「自己愛」や「エゴイズム」「うぬぼれ」など、ちょっと上から目線の花言葉が特徴です。「ナルシスト」というのはまさに自己愛にあふれた人のことを指す言葉ですが、水仙こそこのナルシストの生みの親と言えるものです。ギリシャ神話のエピソードとして語り継がれている、ナルキッソスという美少年の物語をご紹介してみましょう。

「生まれ持った美しさゆえに多くの人を夢中にさせるナルキッソスは、その恵まれた美貌を鼻にかけ自分からは誰も愛そうとしない少年でした。そんなある日、森の妖精エーコーが彼に心を奪われてしまいます。ただ悲しいことにエーコーは、同じ言葉を繰り返すことしか許されないという呪いをかけられていたため、ナルキッソスに想いを伝えることができずにいました。

それを知らないナルキッソスは、単純にエーコーをつまらない相手だとして一蹴します。深い悲しみを負ったエーコーは、やがて自分の姿さえも失ってしまいました。エーコーの一途な想いを踏みにじったナルキッソスを許さなかったのは、復讐の女神メネシス。

メネシスは傍若無人なふるまいをするナルキッソスを泉の近くに呼び寄せ、自分しか愛せなくなる呪いをかけるのです。するとどうでしょう、呪いにかけられたナルキッソスは泉の水面に映る自分自身に恋をしてしまい、その場を離れることができなくなってしまいました。そのまま憔悴し息絶えたナルキッソスの姿が、水辺の近くでうつむきながら咲く水仙の花になった」と伝えられています。

自己愛やエゴ・うぬぼれといった偏屈な様子は、まさにナルキッソスそのものを表した花言葉の意味と言えそうです。

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英語の水仙の花言葉の意味

では、花言葉が生まれた英語圏の表現を見てみましょう。先にご紹介した自己愛はself-loveうぬぼれは利己主義を表すegotismで表現されます。またunrequited love(=片思い)という意味もあってマイナスのインパクトは強い傾向にあります。

ただ、美しさだけでなく長い冬を経て芽吹く水仙の姿が希望や生命力のシンボルととらえられるのも海外の特徴です。陽の光が徐々に強さを増す春の訪れとともに咲く姿になぞらえたものですが、これ以外にもガンなど重い病を抱えた人たちを支援する団体のアイコンとしても活用されていて、すべてがマイナスとは限らないところも見逃せません。

特に英語表記だと日本人にとっては何となくオシャレに映るものですが、実際には皮肉たっぷりに取られることもあるので贈り物としては注意も忘れたくありませんね。

新しい季節を象徴する水仙の花言葉に触れたところで、次は水仙の色や種類ごとの花言葉も探っていきたいと思います。

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色別で見る水仙の花言葉の意味

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水仙の花と聞けば誰もが真っ先にイメージするだろう白い花びら。中央の黄色とのコントラストも美しく、緑もまばらな季節にあってはひと際目立つ花であることに違いありません。花言葉の世界において白い水仙が意味するのは、「尊敬」「神秘」「気高い美人」「ミステリー」「素朴」。正直なところイメージにバラつきがあり、これまでの自己陶酔系の花言葉とも少し違った面を見せてくれるのがわかります。

特に「気高さ」という意味はうぬぼれやエゴとは真逆ですから、凛として咲く水仙の花そのものからきている花言葉と解釈できます。さらに「神秘」も白という色が持つ清らかさのイメージに由来する花言葉といっていいでしょう。

では白と同じく美しい姿を見せてくれる、黄色の水仙にはどんな花言葉があるのでしょうか。

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黄色の水仙の花言葉の意味

黄色の水仙には、「私の元に帰って」「愛に応えて」「もう一度愛して欲しい」「繊細な心」「自尊」「心遣い」といった花言葉があります。自信に満ち溢れた白の水仙とは違い、実らない恋にも似た意味が続いていますね。実はこの黄色の水仙の花言葉もギリシャ神話が由来となっていて、恋とはまた別の母と娘の物語が隠されているのです。

「ギリシャ神話で冥界の女王として登場するペルセフォネは、全知全能の神ゼウスと豊穣の女神デメテルとの間に生まれた最強のサラブレッドともいえる女性です。若き日のペルセフォネはシチリア島の妖精にその身を預けられ、美しい花々を摘んでは楽しく暮らしていました。ある時、ひと際美しく咲く水仙(ナルキッソス)の花に手を伸ばした彼女は、その花を摘み取ってしまいます。

すると途端に大地が割れ、そこから冥界の神ハデスが現れ彼女を連れ去ってしまうのです。勢いよく馬車に乗せられたペルセフォネの手からこぼれた水仙の花がこの時黄色に変わったと言われています。」黄色い水仙が持つ「私の元に帰って」「もう一度愛して欲しい」といった花言葉の解釈は、一方的に冥界へ連れ去られた娘を想う母の心を表したものであり、恋愛における解釈とは異なるものです。

ただ「愛に応えて」の意味については、冥界の神ハデスのペルセフォネに対する素直な気持ちと解釈されています。なかなか自分の方に振り向いてくれないペルセフォネへの心の叫びでもあるかのようですね。

水仙の種類など花言葉に関する豆知識

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さて、白や黄色の花色だけでなく実は種類も多い水仙の花。品種改良によって今では1000を超える種類が作られていると言います。さらに水仙が興味深いのは、その種類ごとでも違った花言葉を持っている点です。以下に代表的な3つをご紹介します。

・日本水仙(二ホンスイセン)

地中海を原産とし、中国を経由して日本に渡来した日本水仙の花言葉は「自己愛」。ナルキッソスの元となっているのがこの日本水仙ではないかと推測されます。

・口紅水仙(クチベニスイセン)

中央が黄色の日本水仙に対して、こちらは柔らかなベビーピンクが特徴的な種類です。花言葉には「素敵な装い」「神秘」「詩人の心」などの意味があり、まさにこの珍しくも美しい姿を現した花言葉だと解釈できます。

・ラッパスイセン

ヨーロッパの広い地域に分布し、ウエールズの国花としても知られるのがラッパスイセンと呼ばれる品種です。黄色の濃淡とまさにラッパのような形をした花の形が特徴で、その花言葉は「尊敬」。さらに色が濃く黄色からオレンジの濃淡が美しい種類のラッパスイセンには、尊敬や心遣いと共に「あなたを待つ」「報われぬ恋」などの意味があります。

こちらには冥界の神ハデスとペルセフォネのエピソードがピッタリの解釈で、美しいだけではない花の魅力を一層深めていると言えそうです。

水仙の誕生花

季節の香りを運ぶ切り花でも人気の水仙ですから、もちろん誕生花としても重宝するものです。水仙であればどれも同じということではなはく、これも種類ごとに日にちが違っていますのでご紹介しておきましょう。ちなみに誕生花の日にちについては多くの見解がありますが、ここでは主なものとしてピックアップしています。

「白い水仙」1/3と1/4、「黄色の水仙」1/2と1/4、「日本水仙」1/2と1/3、「口紅水仙」1/20と3/4、「ラッパスイセン」1/13と1/16。遅咲きの口紅水仙以外は1月の初旬に集中していますので、誕生花を年始のお部屋を彩るインテリアとして楽しむのも素敵ではないでしょうか。

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名称・名前の由来

水仙は学名をNarcissus(ナルシサス)と言い、これはギリシャ神話の美少年ナルキッソスが由来となった名前として有名ですが、これ以外にも水仙が持つ毒性に基づいた由来もあります。水仙の葉や球根に含まれるのは自然界に存在するアルカロイド系の毒で、神経の麻痺や呼吸困難、嘔吐などを引き起こす危険なものです。ギリシャ語で「麻痺」や「昏睡状態」を表すNarce(ナルケ)という言葉があるため、水仙の名前もこれに由来しているとする説があります。

では日本で身近な「水仙」という表記はどこからきたのかというと、日本に渡ってくる途中の中国でつけられた呼び名がそのまま伝わったと考えるのが最もスマートです。中国の古典では、天・地・水それぞれに仙人がいるという考えから天仙・地仙・水仙と表しており、水辺近くに咲く仙人=水仙の花としてその名が付いたとも言われています。

また別名としては「雪中花(セッチュウカ)」の呼び名が有名で、これは冷たい雪の中でも咲くということからつけられた名前となっています。

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水仙の季節・開花時期

水仙は比較的草花が少ない12月から4月にかけて咲く花です。種類によって早咲きと遅咲きがあるため、冬から春の季節をまたいで咲く花ということもできるでしょう。中でも冬の季語にもなっている日本水仙が最も早く咲き、1月を中心に見ごろを迎えます。

春になる3月から4月では新しい品種の水仙が多く出回るようになり、同時にラッパスイセンや口紅水仙も美しい季節となります。ナルキッソスのエピソードにもあるように水辺や海岸線に沿って群生する姿も見られ、和歌山や福井など観光地としても有名なスポットで水仙の花を目にすることができます。

まとめ

今回は水仙の花にまつわる花言葉や名前の由来となったエピソードなどをお伝えしました。漠然と知っていたという方も含め水仙がもつ魅力の一端に触れて頂けたなら嬉しいです。

毒のある花は意外と多いものの、冬から春にかけては水仙の花が元で起こるトラブルも多く報告されます。葉はニラ、球根は玉ねぎに似ているのがその原因と言われていますが家庭菜園の近くに水仙の花が咲いている場合は少し注意が必要と言えるでしょう。

一輪の花にも様々な特徴や由来があることを知って、素敵な花言葉の世界を探求していただきたいと思います。

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