お祝い事はもちろん、私たちの日常にある様々なシーンに欠かせないのが花の存在ではないでしょうか。あなたはフラワーショップに並ぶ色鮮やかな花から道端に咲く花まで、その多くに「花言葉」という象徴的な意味があることをどこかで聞いたことはありませんか?
花言葉のルーツは海外。けれど今は日本で独自の進化を遂げている新しい花言葉もあり、探れば探るほど奥の深いものとなっています。
ここでは特に幅広い年代に人気があり、女性が好む花ランキングでも上位につけている“ガーべラ”を取り上げ、色によって異なる意味の違いやガーベラの花の歴史・由来などにもふれていきます。
また英語表記される本来の意味と一般的な言葉を取り上げ、微妙な解釈の違いもご紹介します。花の美しさだけでなく、素敵な言葉の贈り物として見た花言葉の世界をしばしお楽しみください。
ガーベラの花言葉は色で変わる
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愛らしい形状と色の種類が豊富なことから、フラワーアレンジメントのポイントとしても優秀なガーベラ。この花が持つ花言葉の全般的な意味は、「希望」「愛情」「常に前向きな姿勢」と解釈されています。
また花の中央部よりも花びらのボリュームが多いため、全体が小ぶりでも存在感はバッチリ。そのためエネルギッシュさを感じさせる意味が多いのも特徴の一つと言っていいでしょう。
ただ、花言葉というのはその花が持つ佇(たたず)まいや香りの印象、そして花の色によっても様々な意味を持つものです。当然、色の違いでさらに異なった意味を持っています。
近年では青・紫など自然の花色では難しいとされていた色も登場し、新たなデザインの可能性を広げてくれるものとなったガーベラ。さて、あなたのお気に入りの色のガーベラは、どんな意味を持っているのでしょうか!?さっそく色別で紹介してみましょう。
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ピンク
可憐で女性らしい愛らしさのあるピンクのガーベラは、一般的に「熱愛」「崇高な美しさ」という花言葉を持っており、さらに英語圏では、appreciation「感謝」compassion「思いやり」などの意味があります。
春の柔らかな色味をまとったピンクは、母の日や大切な人の記念日などにおすすめのカラーではないでしょうか。
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オレンジ
明るく陽気なオレンジ色のガーベラには、「神秘」「冒険心」といった一般的な意味と、西洋的なpatience「忍耐」や You are my sunshine「君は僕の太陽」などといったあふれる愛情を表した言葉も存在します。
オレンジのガーベラには、芯の強さを持ち合わせ、常に周りを明るく元気にしてくれるそんな表現の意味が多いようです。
青
青を代表とした寒色系のガーベラは実のところ自然界に存在せず、人の手によって人工的に加工されたものや品種改良によって近年生まれたものです。
技術の進歩によって生み出された新しい色のガーベラは、見ているだけで人の心を虜にするような不思議な力をもっているものです。そのためか、青いガーベラの花言葉は「神秘」や「ミステリアス」と表現されることが多いのも特徴です。
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赤
キュートさと強さのイメージを併せ持つ赤のガーベラには、「燃え上がるような愛情」「飽くなき挑戦」などの花言葉があり、passion「情熱」・ love「愛情」といったキーワードは洋の東西を問わず共通する意味のようです。
深い愛情を伝える結婚式や告白のタイミングにピッタリです。
紫
紫の花びらを持つガーベラは、“ブルーアイ”という品種に代表されます。紫のガーベラ自体は青と同じく人工的に生まれたもので、古くからの花言葉の意味というより生産者やフラワーショップごとに膨らませたイメージで意味を付けられていることが多いものです。
色彩学的に見れば神秘的とか冷静さを表す紫ですが、アレンジのポイントにするならガーベラがもともと持つ意味を基本にされるといいのではないでしょうか。
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白
白いガーベラの花言葉には、「律儀」「希望」と言った一般的な意味とpurity「純粋」 innocence「純潔」といった西洋的な解釈とがあります。
まさにこれから新しく始まる門出の花。結婚式のブーケなどにも良く用いられる白のガーベラは、言葉の意味からいってもふさわしいと言えそうですね。
レインボー
レインボーカラーは、最近多くの花にみられるようになった注目の色。そのポップさと珍しさから、ガーベラにおいても人気が出ているようです。
もともと白を基本に着色の技術によって生み出されているのがレインボーカラーですので、花言葉としては特有のものを持ち合わせていないのが現状です。逆にその分自由度が高いのか、ショップごとで魅力的な言葉が添えられているのがレインボーのガーベラということになります。
存在感と人目を惹く華やかさは十分ですから、その個性を生かしてプレゼントに1輪添えるだけでもオシャレなのではないでしょうか。
緑
ガーベラの品種の中には蕾(つぼみ)の状態と開花した後で色の変化を楽しめるものもあります。それが“スプリンググリーン”と呼ばれる品種で、緑色のガーベラと言われています。
蕾では緑ですが、花びらが完全に開くと黄色の大輪となる“サングロー”にその名を変えることでも知られ、神秘的な変化がそのまま花言葉の意味として解釈されることもあります。
ちなみに、黄色のガーベラには“究極の美”や“friendliness 親しみやすさ”といった意味がありますので、開花後のサプライズと共に、美容にうるさいお友達へのプレゼントというのも洒落がきいているかもしれません。
ガーベラの種類など花言葉に関する豆知識
ここまで色別に花言葉の意味をご紹介しました。ガーベラは単に色が多彩なだけでなく、“一重咲き”から“八重咲き”など咲き方にも様々な種類があります。また花弁(=花びら)の形や厚みもバリエーションがあり、細い花びらがまるで糸のようになった“スパイダー”や花びらがクルっと反り返ったような形の“カール”と呼ばれる品種もあります。
現在流通しているものだけでも、その数ざっと2000種はあるといわれており、新たな技術の進歩によって新品種も次々と登場しています。
ガーベラは南アフリカ原産のキク科ガーベラ属の多年草で比較的花持ちも良いため、鉢花だけでなく切り花としても広く一般に普及している花の一つといってもいいでしょう。ただ花の歴史としてはまだ新しく、発見されてから150年程しか経っていません。
ガーベラの誕生花
世界各国には、生まれた月日にちなんだ花を「誕生花」とする慣習があります。その意図するところや見解は国によっても様々で一律ではないものの、日本でも花言葉の伝来に準じた誕生花は存在します。
日本におけるガーベラは10月の誕生花の一つで、10月12日生まれの誕生花でもあります。その他ガーベラが誕生花になっているのは、2月11日と8月1日。また赤いガーベラに限っては1月21日生まれの誕生花として定着しているようです。
ガーベラが単にお気に入りの花というだけでなく、贈り物としての特別な意味を成すことを知ればプレゼントの幅もより広がっていくのではないでしょうか。
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ガーベラの名称・名前の由来
ガーベラは発見されてから150年程と日の浅い花であることにふれましたが、いつどのような形で日本にやってきたのか、その起源についてもご紹介したいと思います。
ガーベラがアフリカの地で初めて発見されたのは18世紀のこと。ガーベラ(=Gerbera)の名前の由来は、発見者であるドイツ人の医師・博物学者のトラウゴット・ガーバー(Traugott Gerber)にちなんだものでした。
当時野生種であったタンポポをヨーロッパで品種改良して生まれたのが、現在のガーベラの原型となっているようです。
日本には明治末期から大正初期にかけて渡来し、和名ではガーベラの姿そのままに“花車(はなぐるま)”や“アフリカ千本槍(あふりかせんぼんやり)” または“アフリカタンポポ”といった呼び名が付けられています。
実は西洋からの花の伝来と花言葉のそれは、ほぼ同時期。草木を愛でる一つのポイントとしての花言葉は、文明開化の流れと共に変化して日本独自の言葉を生み出していったようです。
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季節・開花時期
ガーベラは春の代表的な花です。最も一般的な開花時期は3月から5月で、とりわけ出荷の最盛期を迎える4月は日本のガーベラにとって特別な日も設けられています。それが4月18日の“ガーベラ記念日”。
理由は、日本最大の産地である静岡県浜松市において国産品種のガーベラ第一号が開花したしたためということで、地元では4月18日を418(よいはな)と語呂合わせしたPR活動もなされているようです。
まとめ
ここまで、ガーベラの花言葉や花の由来などについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
最後に、意外と知られていないガーベラの魅力をもう一つご紹介しましょう。
愛らしく華やかな姿かたちや言葉だけでなく、実は優れた薬効が期待される花でもあります。
ガーベラが持つ主な薬効には、心に活力を与え目的に向かうやる気を与えてくれる心理的作用、美容面でも嬉しい血行促進効果などがあり、揺らぎがちな女性の心と身体には非常に嬉しいものとなっています。
時には色とりどりのガーベラを湯船に浮かべ、言葉の意味を全身で受け止めるような活用法もいいのではないでしょうか?
この記事をきっかけに、花言葉の世界を身近に感じて頂ければと思います。