彼岸花の花言葉の意味

独特の花の形状に、まるで誰かが故意的に咲かせているかのようなタイミングで現れる彼岸花(ヒガンバナ)は、人を容易に寄せ付けない一種独特の雰囲気をまとった花です。

今回は、初秋を代表するこのミステリアスなヒガンバナにスポットをあて、内に秘められた花言葉の意味や個性あふれる別名についても触れていきます。

彼岸花の花言葉・英語の意味も紹介

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夏の暑さがようやく落ち着こうという9月のお彼岸の頃、日本の各地では真っ赤な花の群生が至る所で見られるようになります。地面から真っ直ぐに伸びた茎の先に不思議な花びら。日本の原風景には欠かせないこの花の名がヒガンバナです。

彼岸花の花言葉には、「情熱」「再会」「独立」「あきらめ」「転生」「悲しき思い出」「ただあなたを想う」など、どちらかと言えば暗くネガティブなイメージのものが多いのも特徴の一つ。

花言葉と言えばもとは西洋から入ってきた文化ですが、そもそも英語でのヒガンバナはなんと表現されているのか、直訳と共にご紹介してみます。

・claster amaryllis (クラスター アマリリス)※集団のアマリリス

・red spider Lilly(レッドスパイダー リリー)※赤い蜘蛛のユリ

・hurricane Lilly (ハリケーン リリー)※台風のユリ

いずれもやはりあまり穏やかな呼び名ではないようで、ギュッと凝縮された中にある種の力強さを感じさせる英名が付けられているようですね。

彼岸花の花言葉は色で意味が変わる!

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さて、茎の緑と花びらの赤が織りなすコントラストも美しいヒガンバナですが、多くの人が持つその真っ赤なイメージとは別に、実は色のバリエーションが豊かなヒガンバナ科の花であることを忘れてはいけません。

他の例に同じく、花の色の数だけ花言葉の意味も違うもの。ここからは色別に花言葉の解釈を探っていきます。

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「ただあなただけを想う」「また会う日まで」。これは白い彼岸花が持つ言葉で、一般的な解釈の中でもよりピュアな心の内を表しているものです。

可憐で美しい白のヒガンバナは、言葉の表面的な面だけを見るとポジティブな旅立ちや一途な愛の解釈とも取れますが、本来は死者に手向ける目的、もしくは死者との永遠の別れに用いられてきた側面が強いものです。

特別な人への贈り物として白の彼岸花をチョイスする際には、こういった花言葉の本質を踏まえることも大切でしょう。

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黄色

「追想」「深い思いやり」に加え「元気」「陽気」などの言葉があって彼岸花全体が示す面からすると非常にポジティブな印象がするものです。

普段はあまり目にすることのない黄色のヒガンバナですが、その珍しさと花言葉が持つ前向きなメッセージは季節の訪れを楽しく演出してくれるものになりそうですね。

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青い彼岸花・・と聞いてすぐにマンガを連想された方は、その世界に敏感な方のお一人でしょう。

少し話はそれますが、この“青い彼岸花”なるものが登場するのは【鬼滅の刃(きめつのやいば)】という日本のマンガ作品で、大正時代を舞台に「死」や「鬼退治」をエピソードとした少しハードな描写がなされていることで人気の作品です。

では青いヒガンバナが実在するのか探してみると、同じヒガンバナ科の中でそれと非常に近いイメージの「アガパンサス」という種類にたどり着きます。

このアガパンサスを西洋的解釈でみると、その意味はなんと「ラブレター」。世界の各地でとらえ方の違う花言葉ですが、日本のヒガンバナのイメージとはずいぶん違うことがわかります。

ピンク

正確にはヒガンバナの仲間といった方が良さそうですが、一般にピンク色のリコリスに分類されているもの、もしくは夏水仙(ナツズイセン)と呼ばれる8月頃に咲くピンク色の彼岸花というのが一番しっくりくるようです。

ちなみにリコリスには「情熱」「穏やかな美しさ」といった意味が含まれており、どこか女性性を感じさせます。

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もちろん大半の方がイメージするのは、真っ赤なヒガンバナ。見た目のインパクトは大きいものですから、花言葉も「情熱」や「独立」といったパワーを感じさせるものがメインとなっています。

真っ赤な花びらは燃え上がる炎をも連想させ、古くは『彼岸花を切り花にして持ちかえると家が火事になる』などという迷信も囁かれていました。

またその赤はヒガンバナが持つ有毒性にも通じ、誤って食すると吐血して絶命してしまう危険イメージを強く印象づけるものとなっています。

彼岸花の種類など花言葉に関する豆知識

日本では北海道から沖縄まで、広い地域で確認される彼岸花。普段私たちが目にする自生の姿は、どれも同じ遺伝子を持っていることは意外と知られていないようです。

これはヒガンバナがもともと中国から渡ってきた来たものであり、稲作の普及とともに株分けされ全国に広まったことに起因するものです。日本における彼岸花のメジャー品種には、キツネのカミソリ・鍾馗蘭(ショウキラン)・夏水仙・白花曼殊沙華などがあり、さらに同じヒガンバナ科に属する花の種類には観賞用として私たちの身近にある種類もたくさんあります。

・アマリリス

・アガパンサス

・クンシラン

・水仙(スイセン)

・スノードロップ

・ネリネ

・アリウム

どうしてもヒガンバナそのものの印象が強いので、これが同じ系統の花だとは思えないものもありますが、知らない間に手にしていた花と同じ属というのは、彼岸花の新たな一面を垣間見ることのできる機会かもしれませんね。

彼岸花の誕生花

切り花にしてはならないとか墓地や人里にひっそりと咲く姿から、“誕生”という生のイメージに無縁のような彼岸花にも、喜ばしい誕生花としての役割はきちんと備わっています。

ヒガンバナは、やはり見ごろの時期と同じく9月13日、9月20日と11月15日の誕生花。自生するものはアッという間に姿を変えてしまうものですが、彼岸花の種類でもご紹介した通り、アマリリスやアガパンサスなど十分にプレゼントとなり得る素敵な種類もたくさんあります。

ヒガンバナには吉とも凶とも取られる花言葉があることを前提にしつつ、上手な花選びで大切な方の記念日をお祝いされるといいのではないでしょうか。

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彼岸花の名称・名前の由来

英語圏では花びらの形状や、躍動感のある咲き方を象徴する読み方になっているヒガンバナ。では日本での“彼岸花”という名前の由来は何なのか!?改めて聞かれると詳しく説明できる方は少ないのかもしれません。

次は、ヒガンバナの名前の由来やとても奥深い別名・異名も取り合わせてご紹介します。

ヒガンバナの学名は、Lycoris radiata(リコリス ラディアータ)。ちなみにラディアータというのは放射状という意味です。秋のお彼岸の頃に咲くから単純に彼岸花と認識されている方も多いのですが、「彼岸」とは仏教用語で「悟りの境地」を指していて、分かりやすく言えば人の「死」を意味しています。

この花に「死」の意味をまとわせたのには諸説ありますが、ポイントとなるのはヒガンバナ全体が持つ強い毒性です。食料が十分でなかった頃には食用にされていた事実もあるものの、やはり生と死をかけて食していたことに違いないものです。

意図的に田畑の周り、もしくは墓地の周辺に咲かせたとすれば、そこには虫や害獣はもちろん、大切な場所に他者を寄せ付けない先人の知恵があったとも考えられます。

また最も有名な別名として広く知られているのが曼珠沙華という呼び名。一般的にはマンジュシャゲですが、往年の歌の歌詞にはマンジュシャカという読み方をさせているものもありました。元は仏典にも登場するサンスクリット語のmanjusakaをそのまま充てていると言われます。

別名では徳の高い経典などとの縁もある名前の由来ですが、なんとも恐ろし気なのは全国津々浦々に存在する彼岸花の異名の方です。現在確認されているだけで軽く1000以上の異名が存在する花など、他には類を見ないもの。

死人花・地獄花・幽霊花に狐扇(キツネのおうぎ)、剃刀花・捨て子花といずれを見てもおどろおどろしい世界を連想させるものばかりで、地方の方言では「はっかけばばあ」などとも言われるそうです。

人の死のとらえ方が多くの場合忌み嫌われる対象だった時代には、おそらく様々な噂(うわさ)や現象がデフォルメされ、異名を作り出すきっかけになったのかもしれません。

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季節・開花時期

見た目も名前もミステリアスな要素がタップリ。改めてその見ごろを迎える季節はというとやはり秋で、9月の中旬から下旬が一般的なようです。

縦に長い日本ならではで、開花の時期は10月までと若干幅はありますが、切り花として出回る時期などを見てもやはり最盛期は9月に集中しています。花の美しさはそのはかなさに比例する・・とは言い過ぎかもしれませんが、一たび刈り取った彼岸花は4日ほどしか持たない性質のよう。

そこもまた幻想的なヒガンバナらしい特徴かもしれませんね。

まとめ

ここまで彼岸花の花言葉にまつわるあれこれをご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

毒のある草花は数あれど、花も茎も球根もすべてが毒性をもった花というのはやはり珍しいようです。それでも単に不吉な花、毒のある花という見方ではなく重みのある花言葉を持っているのが彼岸花ではないでしょうか。

大陸を渡って日本にたどり着いてから現在まで、原種の遺伝子を維持し続けている生命力の強さは、長い年月をかけても変わらない普遍的な美しさを私たちの目に焼き付けてくれます。

全国にはこれから彼岸花が主役となる絶景も多くあります。この記事でご紹介した言葉を参考に、自然が織りなすダイナミックな景色をご堪能くだされば幸いです。

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