撫子(ナデシコ)の花言葉の意味をピンク・赤・白などを解説!

清楚で慎ましやかな美女を指す「大和撫子」という言葉で知られる撫子の花は、『万葉集』に詠まれるほど古い昔から日本人に愛されてきた植物の1つです。平安時代の随筆集『枕草子』にも、「草の花はなでしこ、唐のはさらなり やまともめでたし」と、当時の貴族にも愛されていた様子が描写されています。「秋の七草」の1つに数えられている植物としても有名です。

さて、これほどまでに愛されてきた撫子の花には、どのような花言葉があるのでしょうか? 今回は撫子の花言葉と、撫子への理解を深めるために、種類や誕生花に開花時期などの撫子についての基本の知識を色々とご紹介します。

撫子(ナデシコ)の花言葉

撫子の基本的な意味の花言葉は『大胆』『無邪気』『純愛』『貞節』『思慕』です。

この内の『無邪気』と『純愛』と『貞節』の由来は、撫子の花姿にあるとされています。撫子は花びらに細かい切れ込みが入る、繊細で可憐な花を咲かせます。その姿が控えめで清楚な女性を連想させることから、このような花言葉が誕生しました。

意味が被りますが『純愛』、そして『思慕』の由来は、グリム童話の「なでしこ」にあるとされています。物語の内容を簡単にご紹介します。

その昔、どんな願いでも叶えることができる王子がいました。ある日、自分の命を助けてくれた娘に恋した王子は、娘を撫子の花に変えて城に持ち帰り、元の姿に戻して結婚したのだそうです。なお、娘は大変美しく、どんなに優れた画家でも彼女の美しさを絵にすることはできなかったと伝えられています。

王子の純愛と、娘の類まれな美貌から『純愛』や『思慕』といった花言葉が生まれたそうです。

一方、これらの花言葉とは正反対な『大胆』については、西洋の撫子の持つ鮮やかな赤い色が由来だと言われています。

撫子(ナデシコ)の花言葉の英語の意味

撫子の英語での花言葉は『boldness(大胆)』。由来は前に紹介したように、西洋の撫子が持つ赤い色からきています。

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色別で見る撫子の花言葉の意味

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同じ植物でも花色や種類によっては、違う意味の花言葉がつくことがあります。撫子の場合はどうでしょうか? ここでは撫子の色別の花言葉をご紹介します。

ピンクの撫子の花言葉の意味

花言葉は『純粋な愛』。可愛らしいピンク色の花にピッタリな言葉ですね。可憐な女性への贈り物に最適です。ちなみに西洋のピンク色の撫子の花言葉も『pure love(純粋な愛)』と言います。

ただし、ピンク色の撫子といっても「フクロナデシコ」という品種には「偽りの愛」という花言葉があるそうです。贈り物にする際には、花色だけではなく種類にも気をつけてくださいね。

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赤の撫子の花言葉の意味

花言葉は『純愛』『燃えるような愛』。赤い撫子の中でも特に八重咲きの品種には『純粋で燃えるような愛』という花言葉がついています。英語でも八重咲きの赤い撫子の花言葉は同じく『pure and ardent love(純粋で燃えるような愛)』と言います。

白の撫子の花言葉の意味

花言葉は『器用』と『才能』。他の意味と違い、能力に関する言葉となっているのが特徴です。西洋での白い撫子の花言葉も同様に『ingeniousness(器用)』『talent(才能)』と言います。学者や専門の職人など、何かの分野に秀でている人への贈り物にいかがでしょうか。

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撫子と春・秋の七草

正月7日に無病息災を祈願して食べる「七草粥」。この七草粥に入れられる7種類の植物を「春の七草」と呼びます。これに対して「秋の七草」と呼ぶ7種類の植物がありますが、こちらは食べるのではなく、眺めて楽しむものです。

撫子はこの「秋の七草」の1つでもあります。ここでは撫子以外の秋の七草をご紹介します。

撫子以外の秋の七草

1.女郎花(オミナエシ):血目草(チメグサ)、粟花(アワバナ)などの別名を持ち、8月から10月にかけて黄色い花を咲かせる多年生植物です。乾燥させて煎じると「配醤(はいしょう)」と呼ばれる生薬になります。解熱・解毒に効くそうです。

2.尾花(オバナ):ススキのことです。かつては「茅(カヤ)」と呼ばれ、農家では茅葺(かやぶき)屋根の材料にしたり、家畜の餌にするなど、日常生活の中で幅広く利用されていました。

3.桔梗(キキョウ):山野の日当たりの良い場所で育つ多年生草本植物。多くの園芸品種がありますが、野生種は絶滅危惧種に指定されています。秋の七草に選ばれていることもあって、秋の花のイメージが強いのですが、開花時期は6月頃から9月頃で最盛期は6月から7月と、実際は夏に見頃を迎える植物です。

また、根に薬効成分が多く含まれていることから、古くから「桔梗根(キキョウコン)」という名の生薬として用いられてきました。去痰・鎮咳・鎮痛・鎮静・解熱に効果があるとされ、消炎排膿薬や鎮咳去痰薬などに使用されています。

4.藤袴(フジバカマ):8月から10月にかけて、茎の先端に小さな淡紫紅色の花を房状に咲かせるのが特徴の多年生植物。昔は日本各地の河原などに群生していましたが、現在では自生に適した環境が少なくなってしまったため、絶滅危惧種となっています。

生のままでは無香ですが、茎や葉が乾くと桜餅の葉のような香りを放つ性質があります。この性質から中国では芳香剤として利用されていたそうです。日本では奈良時代に薬草として用いられていました。

5.葛(クズ):つる性の多年生植物。非常に繁殖力が強いことで知られており、一部の国では有害植物として扱われているほどです。肥大した根に含まれるデンプンから葛粉が作られ、根を乾燥させると葛根という生薬になります。

6.萩(ハギ):7月から9月にかけて、ピンクや白、または紅紫色の花を枝先に咲かせるマメ科の植物。生育旺盛で痩せた土地でも良く育つ特性を持つことから、緑化資材として用いられています。

日本では古くから親しまれてきた植物で、昔は枝や葉を家畜の飼料にしたり、束ねて箒にしたりと、色んな用途に利用していたそうです。また、民間療法ですが、婦人のめまい・のぼせの薬としても用いられていました。

撫子の種類など花言葉に関する豆知識

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古くから親しまれ、園芸品種として栽培されてきた植物だけあって、様々な種類があります。特に、平和が長く続いたことから空前の園芸ブームが巻き起こった江戸時代、在来種のカワラナデシコと中国のトコナツとの自然交配が行われたことから、盛んに品種改良が進められました。西洋では15世紀に栽培され始めたものがカーネーションの元となり、17世紀に入ると、イギリスで多くの園芸品種が誕生しています。

ここでは、代表的な品種をいくつかご紹介します。

1.河原撫子(カワラナデシコ):別名「ヤマトナデシコ」。日本各地に自生している在来種の中でも代表的品種として有名です。秋の七草の撫子というと、この種を指します。名前に”河原”がつきますが、産地や草原にも生息しています。

2.石竹(セキチク):別名を「唐撫子(カラナデシコ)」と言います。平安時代に中国から渡来してきた品種で、花色が美しい四季咲きの品種で開花時期が長いのが特徴。ちなみに、江戸時代に流行した品種「常夏(トコナツ)」は、この種の改良品種です。

3.髭撫子(ヒゲナデシコ):別名「アメリカナデシコ」または「美女撫子(ビジョナデシコ)」。別名に「アメリカ」がついていますが原産地はヨーロッパです。「髭撫子」の名前は、苞の先端が長い髭のように伸びていることに由来しています。

撫子の誕生花

撫子の誕生花は7月14日、7月22日、7月28日です。誕生日にあたる人に、贈り物として撫子の花はいかがでしょうか?

名称・名前の由来

撫子の名前は”撫でたくなるほど可愛らしい子供”を意味する「撫でし子」に由来していると言われています。

また、撫子の学名の「Dianthus」はギリシャ語で神(ゼウス)を意味する「Dios」と、花を意味する「anthos」とを合わせたもの。命名したのはギリシャの植物学者テオフラストゥスとされています。

さらに英語圏では、カーネーション以外のナデシコ属の植物を「Pink(ピンク)」と呼んでおり、撫子も英名で「Pink」と呼ばれることがあります。この「Pink」には「輝く目」という意味もあり、ピンクという色の語源でもあると言われています。

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季節・開花時期

秋の七草に数えられており、俳句でも秋の季語とされていることから、秋の花というイメージが強い撫子ですが、多年草で元々の種類が多く、園芸品種も非常に多いことから、植えつける場所や品種によっては長い間花を楽しむことができます。

開花時期は4月から10月です。自宅で育てている場合は、花が咲き終わったらこまめに摘み取りましょう。

まとめ

撫子について色々とご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか? 清楚で慎ましい美女を意味する「大和撫子」という言葉でも有名な撫子は、見た目こそは非常に可憐で儚げな雰囲気すら感じられる花です。しかし実際は丈夫な花としても知られており、ガーデニングでも丈夫で育てやすい花として人気があります。

実際に「大和撫子」には「態度は控えめだけど内面は強い女性」という意味もあるそうです。見た目はたおやかでも、中身はしっかりした女性って素敵ですよね。同性から見ても、憧れてしまうのではないでしょうか。

花言葉も良い意味のものが多く、贈り物に最適な撫子の花ですが、自分のそばに置くのも良いですね。撫子の花のように、優しげでも実は芯の強い人間を目指してみてはいかがでしょうか?

最後までご拝読いただき、ありがとうございました。

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