スミレの花言葉の意味を紫・色別・英語などを紹介!

スミレは小さく愛らしい姿が印象的なの花でよく見る野草ですが、種類が多いことから見分けるのが難しい植物でもあります。

スミレは漢字では「菫」と表されますが、女の子の名前に使う場合には漢字で「薫」や「董」を用いてスミレと読ませることもあります。

「薫」や「董」には本来「スミレ」という読み方はありませんが、香水の原料にも利用されるニオイスミレの香りにちなんでよい香りがするという意味を持つ「薫」という漢字を当てはめて読ませたり、しんになるたいせつなものという意味を持つことにちなんで「大切なもの」や「貴重な存在」という思いを込めて「董」という漢字を使う場合もあります。

花の名前から「菫」の漢字を使う場合には、小さくかわいらしい花の姿や花言葉を由来にして名付けられているようです。

大切なわが子につける名前の由来とされるスミレの花言葉とはどんな意味があるのでしょうか?

スミレの花言葉の意味・由来

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スミレの花色といえば1番に思い浮かべるのは紫ですが、その他にも白や黄色、ピンクがあり、色別に花言葉がありますが、全般的には「謙虚」「誠実」「小さな幸せ」という意味を持っています。

花言葉は植物に象徴的な意味を持たせるためのもので、道端などにひっそりと咲いている花姿の奥ゆかしさが由来の1つだとされています。

スミレは学名を「Viola mandshurica(ビオラ・マンジュリカ)」といいますが、ビオラはスミレのラテン語訳であり、ギリシャ語でスミレを意味する「ion(イオン)」が語源となっているといわれ、このイオンの名前の由来となったギリシャ神話があります。

全能神ゼウスと川の神の娘イオの話で、美しいイオを見初めて恋仲になりますが、嫉妬深い妻のヘラを恐れたゼウスは、イオを子牛の姿に変えて隠してしまいます。

子牛にされたイオは雑草しか食べられなくなり、かわいそうに思ったゼウスはスミレの葉をたくさん作って与えます。子牛と戯れるゼウスを怪しんだヘラは、子牛の正体がイオだとわかると怒ってイオを星にしてしまいました。

悲しんだゼウスはイオのことを忘れないために、イオのために作ったスミレの葉に彼女の瞳と同じ色をした紫の花を咲かせました。

この神話が「誠実」という花言葉の由来ともいわれています。他にもスミレに関する神話は上記のギリシャ神話だけでなく、他にもいくつかあります。神話を由来とした花言葉はたくさんありますが、悲しい恋の話がほとんどです。

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英語でのスミレの花言葉

英語でのスミレの花言葉は「modesty(謙虚)」「faithfulness(誠実)」と日本の花言葉と違いはありませんが、西洋では聖母に捧げられる特別な花として扱われており、理想の女性を象徴する特別な花ともいわれています。

スミレは謙虚の象徴として、ユリは威厳の象徴、バラは美を象徴しており、3つが揃うことで理想の女性像をあらわしています。

スミレは古くから文学や絵画、音楽のモチーフとしてもよく登場しており、歴史的人物とも深い関わりのある花です。マリー・アントワネットはスミレの香水を好んで愛用していたといわれ、ナポレオンは結婚記念日に妻のジョセフィーヌへスミレの花束を贈っていたといわれています。

色別で変わるスミレの花言葉

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スミレといえば紫と述べましたが、「スミレ」とはスミレ科スミレ属の植物の総称であり、一般的にはあまり区別をされずにいますがその色数は多く、同じ花でありながらも色別に花言葉があります。

紫以外にどんな色を思い浮かべますか?

色別であらわされる花言葉の意味を紹介していきます。

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紫のスミレの花言葉

「貞節」「愛」

貞節とは妻が夫に対して操を立てて、心を変えず、身をかたく守るという意味を持っており、深い愛がなければできないことです。誠実が真心をあらわしているのに対して、心と体の両方を守る女性の強い意志をあらわしているといえます。

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白のスミレの花言葉

「あどけない恋」「無邪気な恋」「純潔」

紫とは打って変わって初々しさを感じさせる意味を持っており、わずらわしさは何もなく、幼いながらも純粋にお互いを思い合う姿が目に浮かびます。

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黄色のスミレの花言葉

「田園の幸福」「つつましい喜び」

田園の風景の中で咲く小さな黄色い花、見つけた時にはほんわかとした気持ちになるのではないでしょうか?

小さな幸せを感じられる喜びは、心の余裕でもあり、忙しい現代人が忘れがちなことですので、疲れている友達に贈ってみると喜ばれるかもしれませんね。

ピンクのスミレの花言葉

「希望」

鮮やかなピンクのスミレには前向きな花言葉があり、「小さな幸せ」という全般的な意味と合わせると勇気づける言葉となるでしょう。

前向きな姿勢が願いをかなえるために必要であり、小さくても幸せをつかむためには大切なことです。

スミレの種類など花言葉に関連する豆知識

色別の項でも述べましたが、「スミレ」とはスミレ科スミレ属の植物の総称であり、パンジーやビオラもスミレ科スミレ属に含まれる植物です。類似品種がとても多いため、限定する場合には学名の「Viola mandshurica(ビオラ・マンジュリカ)」が使われ、日本ではスミレやタチツボスミレのことを指しています。

愛好家の間では属名などと同じで紛らわしいため、学名の「満州の」という意味をあらわす「mandshurica」をマンジュリカと呼んで区別しているほどで、スミレ属の植物は400種、スミレ科の植物は850種以上といわれています。日本で咲く野生種は約80種類あり、変種などを合わせると200種類以上にもなります。

原産地は北半球の温帯地域で日本では北海道から沖縄までの全土で見られる花であり、国外では朝鮮や中国からロシアを流れるウスリー川流域に及んでいます。

スミレの形態は基本的には2種類あり、地上茎がなく株元から直接花柄や葉柄が伸びる「無茎種」と、株元から茎を出して、茎から花柄や葉柄が伸びる「有茎種」に分けられます。

また花の時期の前半は花が咲いて受粉により実を結ぶ「開放花」で、花期の後半になるとつぼみのままで実を結ぶ「閉鎖花」となって確実に種を残す強い繁殖力を持っています。

山菜として食用にも利用されており、てんぷらやおひたし、お菓子としてオーストリアのハプスブルク家の皇妃エリザベートが愛した花びらを砂糖漬けにしたものが有名です。

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スミレの誕生花

スミレは3月の誕生花で、日本では春を表す季語として俳句や短歌などによく登場し、海外ではパーティーの時にぶどう酒を注いだグラスにスミレの花を浮かべたり、花冠にしたりしてその香りや彩りを楽しみ、なおかつ悪酔いしない効果があるといわれています。

誕生日ごとに分けた場合には以下のようになります。

  • 1月5日の誕生花(紫色限定)
  • 1月6日の誕生花(ピンク色限定)
  • 1月8日の誕生花(紫色限定)
  • 1月9日の誕生花(黄色限定)
  • 1月15日の誕生花(白色限定)
  • 1月23日の誕生花(白色限定)
  • 2月4日の誕生花
  • 2月6日の誕生花(黄色限定)
  • 2月19日の誕生花
  • 2月21日の誕生花(紫色限定)
  • 2月28日の誕生花

種類や色数が多いためにスミレを誕生花とする日は多く、3月の誕生花となっている割には誕生日ごとの誕生花では1月と2月に集中しています。

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スミレの名称・名前の由来

名称と名前の由来について、「日本の植物学の父」と呼ばれた牧野富太郎氏が、スミレの花の形が木や石に線を書く大工道具の墨入れ(墨壺)を思わせると唱えて、牧野氏の著名さも手伝い、墨入れから変化したという説が一般的にも広まっていきました。

しかし、墨入れが誕生する以前からスミレは日本に自生しており、日本における墨入れの歴史は、法隆寺の最も古い木材に墨線の跡があり、正倉院に現存する最も古い墨入れが保管されていることから、奈良時代に伝えられたと考えられていますが、その形状は形状はスミレの花に似た丸みのあるものとは違い、もっと四角く角ばっていたといわています。

万葉集に奈良時代の歌人であり、三十六歌仙の一人でもある山部赤人のスミレを詠った歌が収められており、赤人が歌を詠んだ時には万葉仮名が使われているため、スミレは「須美禮」という当て字で表されています。

赤人が詠んだ「春の野に摘みにと来し我そ 野をなつかしみ 一夜寝にける」という歌は、恋を詠んだ歌として有名ですが、叙景歌としての意味を持っているとも解釈されており、スミレは古来から春の季語として親しまれていた花だといえます。

万葉集にも収められるほど古代から日本に自生していたことや墨入れの歴史と合わせて考えると、墨入れに由来しているという説には少々無理がありますが、丸みを帯びた墨入れの形状がにていることと牧野氏の著名さゆえに広まってしまった話だったのかもしれません。

また、山菜として食用できるスミレを春の若菜の1つとして「摘まれる」ことから変化したという説もあります。名前の由来は他にも諸説あるといわれていますが、決定打となるものはないようです。

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スミレの季節・開花時期

スミレは春の季語として親しまれ、3月の誕生花でもあることから、季節は春であることがわかりますが、ドイツでは「春の使者」とされ、オーストリア・ウィーンの宮廷では3月にドナウ川河畔にその年の初咲きのスミレを探しに行き、あいさつをする習慣があったといわれています。

開花時期は種類によって異なり、中には10月に咲き始める珍しい品種もありますが、基本は3~5月にかけて暖かくなり始めた頃に咲き始め、5月初旬には見頃を迎えます

日本でスミレの名所といわれているのが東京都八王子市にある高尾山で、約40種類が自生しているといわれる中で15種がよく見られるそうです。高尾山で発見された黒っぽいこげ茶色の葉に白く小さな花、花びらには細い紫色の筋が入っているのが印象的なタカオスミレも見られます。

「スミレの山」ともいわれる高尾山では、スミレを目当てにして登山をする人もおり、4月上旬頃から見られるようになります。

まとめ

花言葉をはじめ、スミレについて紹介しましたが、いかがでしたか?

日本だけでなく、世界中の名立たる人物にも愛されたスミレは、鑑賞したり香りを活用したり、食用にしたりと植物として万能といえるでしょう。

芸能の面でも多くのアーティストにインスピレーションを与え、文学や絵画、建造物の文様にも使用されています。古来より多くの人に愛されている花ですが、その姿はあくまで控えめで謙虚という花言葉が良く似合います。

春が来たらスミレの花を探してみてください。いつもなら気付かずに素通りしていたかもしれないとっても身近にな場所で見つけられ、心を和ませてくれることでしょう。春の「小さな幸せ」を感じてみてはいかがでしょうか?

最後までご拝読いただきありがとうございました。

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