今回は、百合の花言葉についてご紹介します。豪華で凛とした花姿と甘い芳香を持つ百合の花は品種も色数も多く、生け花やブーケなどにもよく用いられるほど人気の高い花の1つ。そんな百合には、果たしてどのような意味の花言葉があるのでしょうか?
百合の花言葉の意味は?
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日本語の百合の花言葉は「純粋」「無垢」「威厳」。「純粋」や「無垢」はギリシャ神話に登場する、結婚や母性、貞節を司る女神ヘラの逸話に由来するとされています。百合の花は女神ヘラの胸から零れた乳が地上に落ち、そこから生まれたものなのだそうです。この逸話から百合は女神ヘラの聖花とされ、「清純」「母性」「純潔」「無垢」といった花言葉が誕生しました。
そして「威厳」は、堂々とした花姿に由来していると言われています。
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英語
百合の花は、西洋でも古くから親しまれてきました。聖書にも登場しているほどです。
英語での百合の花言葉には、「純潔」や「洗練された美」といった意味があります。これはキリスト教において、白い百合が聖母マリアの象徴とされていることに由来しています。処女懐胎によってキリストを産んだとされている聖母マリアは、純潔のシンボルとされているからです。
韓国語
韓国語での百合の花言葉は「純潔」「汚れなき心」。ギリシャ神話や聖母マリアの逸話からも分かるように、百合(特に白百合)が純潔を意味するものとされていることに由来していると思われます。
色別で見る百合の花言葉
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白のイメージが強い百合の花ですが、実は色数は非常に豊富。そして花の色によって、花言葉の意味が変わることもあります。色別で見る百合の花言葉を見ていきましょう。
白
ユリの色というと真っ先に思いつく白。花言葉は「純潔」「威厳」「無垢」などです。これは前にも紹介した聖母マリアの逸話が由来となっています。
白いユリはキリスト教と非常に関係が深く、17世紀にローマ教皇が、聖母マリアの処女性を象徴する花として白い百合を描くようにと布告を出したことから「マドンナ・リリー」と呼ばれるようになりました。
こういった逸話から「純潔」や「無垢」といった花言葉が誕生したと言われています。「威厳」は堂々とした花姿が由来です。
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黒
クロユリという花があります。標高2000m以上の山地に咲く高山植物の一種で、正確には黒色ではなく、黒紫、または暗紫褐色と呼ばれる色をしています。ユリと花姿は似ていますが、分類すると百合はユリ属であるのに対してクロユリはフリチラリア属となり、植物としては少し異なります。
クロユリの花言葉は「愛」「恋」「呪い」「復讐」。言葉の由来については様々な説がありますが、ここでは代表的なものをご紹介します。
まずは「愛」と「恋」ですが、これはアイヌ民族の言い伝えが由来だと言われています。その言い伝えの内容はこうです。
「好きな人の近くにクロユリの花をそっと置き、相手が誰が置いたのかを知らずに花を手に取ったら2人はきっと結ばれる」
クロユリは涼しい高地を好む植物で、北海道にも古くから生息していたと言われています。こういった言い伝えが誕生するほど、アイヌ民族にとっては身近な存在だったのでしょう。
そして「呪い」「復讐」という恐ろしい花言葉は、戦国時代のとある伝説に由来しています。
戦国時代の越中国富山城の城主・佐々成政には、小百合姫という大変美しい側室がいました。小百合姫は成政に深く愛され、やがて懐妊します。ところが、小百合姫を妬んだ者の仕業なのか「小百合姫は密通している」「お腹の子は成政の子供ではない」などといった噂がたち、逆上した成政は小百合姫を惨殺、彼女の一族も全て磔刑に処しました。
死の間際に小百合姫は「立山に黒いユリが咲いたら、佐々家は滅ぶ」と呪いの言葉を言い残したそうです。そしてその言葉通り、後に成政は失脚して遂には切腹となり、佐々家は滅びました。
また、黒という色には不吉なイメージがあることも、不吉な意味の花言葉の誕生に関係しているのかもしれません。さらにクロユリの香りは非常に独特で、人によっては悪臭とされることもあるそうです。これらのことから一般には鑑賞やプレゼントには不向きな花だとされていますので、気をつけてくださいね。
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赤
赤いユリは「虚栄心」。あまり良い意味ではありませんが、この花言葉の誕生にもキリスト教が深く関わっています。
キリストが十字架に架けられた時のこと。多くの花がキリストの運命を嘆き頭を垂れる中、百合だけが自らの美しさが慰めになると思い込み、頭を上げていました。しかしキリストに見つめられると、自分の思い上がりに気づき、赤くなって項垂れたのだそうです。
ピンク
ピンクの百合は赤いユリと同じく「虚栄心」。由来も同じです。赤とピンクのユリは綺麗ですが、花言葉という観点で見るとプレゼントには不向きですので気をつけましょう。
青
色数が豊富にあるユリですが、青色色素を作る遺伝子はありません。そのため自然界に青色のユリは存在していませんでした。しかし2012年、サントリーホールディングスと新潟県との共同開発により、青いユリを生み出すことに成功しました。
開発されたばかりということもあって、花言葉はまだないようです。サントリーは過去に青いバラの開発にも成功しており、こちらは既に商品化しています。そのバラには「夢 かなう」という言葉がつけられました。青いユリも将来商品化した際には、何か素敵な言葉がついているのではないでしょうか。
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オレンジ
オレンジ色のユリは「華麗」「愉快」「軽率」。オレンジ色の大輪の花が持つ、陽気で派手なイメージが由来だとされています。プレゼントに使う時は良い意味の花言葉をメッセージカードに添えるのがおすすめです。
黄色
黄色いユリは「陽気」「偽り」。非常に明るい色が由来だとされています。「陽気」という言葉は、性別や年齢問わず贈ることができる花言葉なので、「愉快」の言葉を持つオレンジ色のユリと合わせるのもおすすめです。色としての相性も良いので、明るく華やかなプレゼントになるでしょう。
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百合の種類別の花言葉
百合は非常に種類が多い植物としても知られており、花言葉も種類によって違う意味を持っています。種類別の花言葉を見ていきましょう。
カサブランカ
カサブランカは、日本原産の百合を元にした品種改良で誕生した園芸品種。白百合の中でも最も華やかで気品がある品種とされており、「百合の女王」と呼ばれています。
カサブランカの花言葉は「高貴」「壮大な美しさ」「雄大な愛」「甘美」「威厳」「純粋」「無垢」。堂々として気品に溢れた花姿が由来だとされています。「純粋」「無垢」は、純白の百合であることからつけられました。
非常に人気が高く、言葉も良い意味のものが多いことから、結婚式のブーケやプレゼントによく使用される品種です。
ヤマユリ
ヤマユリは主に近畿以北の産地や森に自生している日本原産の百合です。直径20cm以上という百合の中でも特に大きな花をつけることから、「百合の王様」とも呼ばれています。
別名が多いことも有名で「カントウユリ(関東百合)」「カマクラユリ(鎌倉百合)」「ハコネユリ(箱根百合)」などといった場所に由来したものや、その甘く濃厚な香りから「コウユリ(香百合)」「ニオイユリ(匂い百合)」といった名前もあります。
ヤマユリの花言葉は「荘厳」「威厳」「甘美」「人生の楽しみ」。「荘厳」「威厳」は「百合の王様」と称されるほどの花姿から、「甘美」「人生の楽しみ」は、強い芳香を放つことからつけられたと言われています。
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百合の種類など花言葉に関する豆知識
百合の花言葉の意味への理解を深めるために、百合についてちょっとした知識をご紹介します。まずは百合の種類から見ていきましょう。
百合はアジアを中心に、ヨーロッパや北アメリカなどの亜熱帯・温帯・亜寒帯と、世界に非常に広く分布している植物です。原種も100種類以上と非常に多く、「ヤマユリ亜属」「テッポウユリ亜属」「カノコユリ亜属」「スカシユリ亜属」と大きく4つに分類されます。
そして、これら原種達を元にした品種改良で誕生した園芸品種もまた多く、100を越える品種が存在します。これらの園芸品種も原種を元に分類されています。
園芸品種は以下の9つの系統に分かれます。
1.アジアティック・ハイブリッド:オニユリやヒメユリなど、アジア原産の百合を中心に交配された品種群。
2.マルタゴン・ハイブリッド:ヨーロッパに自生している品種マルタゴン・リリーとタケシマユリとを交配して誕生した品種群。
3.キャンディダム・ハイブリッド:別名マドンナリリー・ハイブリッド。欧州原産のマドンナ・リリーと、欧州原産の他の品種とを交配した品種群です。
4.アメリカン・ハイブリッド:北アメリカ原産の品種同士を交配して誕生した品種群。
5.ロンギフローラム・ハイブリッド:テッポウユリやタカサゴユリを元に作られた品種群。名前が長いので、「L」という略称で呼ばれることもあります。
6.トランペット・オーレリアン・ハイブリッド:リーガル・リリーやキカノコユリなどの中国やアジア原産の品種を親とする品種群。トランペットのような筒形の花を横向きに咲かせる特徴があります。この品種群も名前が長いので、学名表記などでは「T」と省略されています。
7.オリエンタル・ハイブリッド:ヤマユリやカノコユリなどの日本固有種を元に作られた品種群。強い香りを持つ大輪の花を咲かせるのが特徴で、代表的な品種にカサブランカがあります。
8.その他:8番目の分類は、ロンギフローラム・ハイブリッド、トランペット・オーレリアン・ハイブリッド、オリエンタル・ハイブリッドに属する品種を交配した品種群です。
例えばロンギフローラム・ハイブリッドとオリエンタル・ハイブリッドとを交配させた品種の場合は、それぞれの頭文字を取って「LOハイブリッド」と呼ばれています。
9.原種及びその他の変種:上記のいずれの品種群にも属さない原種や変種は、この9番目の分類に分けられます。
百合の誕生花
百合の誕生花は5/19、6/11、6/17、6/25、7/24、10/4、10/11。
その他、黄色のユリは7/19、ピンクのユリは8/1、8/11、タケシマユリは6/28、マドンナ・リリーは2/27と、色や品種によって異なります。
百合の名称・名前の由来
百合の名称の由来については諸説ありますが、ここでは有名なものを1つご紹介します。茎が細く花が大きいため、風に吹かれると花がゆらゆら揺れることから「揺すり」と呼んでいたのが「ゆり(百合)」に変化したという説です。
また、漢字で「百合」と書くのは、百合の根がたくさんの鱗片が重なり合っている様子を表現したものだと言われています。
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百合の季節・開花時期
百合は非常に種類が多く、品種によって開花時期が異なりますが、大体は5月から8月、季節で言うと晩春から夏にかけて開花します。ただし、品種改良技術や栽培方法が確立している現代では、花屋などでほぼ一年中百合の花が見られます。
自宅で栽培する場合は、品種によって生育に好ましい条件が異なっていますので注意しましょう。
まとめ
百合について色々とご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
見た目が美しく、花言葉もプレゼントに適した花言葉が多い百合の花ですが、自分へのご褒美として自室に飾るのもおすすめです。華やかで香りも良い百合の花は、きっと心を和ませてくれることでしょう。
最後までご拝読いただき、ありがとうございました。