何を考えているかさっぱりわからない、まるで感情がないように見えるミステリアスな人っていますよね。
感情がない人は、どうしてそんな印象を周囲に与えてしまうのでしょうか。
ここでは、「感情がない人」について、その特徴と原因を、さまざまな角度から分析していきます。
感情がない人の特徴
まずは、感情がない人の特徴について考えてみましょう。感情がない人には、いろいろな特徴があります。
どのような特徴を持っていると感情がないように見えるか、まとめてみました。
感情がない人は表情がない
感情がない人は、表情もありません。つまり、無表情です。表情が変化しないのです。
感情が豊かな人の表情がくるくると変化するのと、逆のパターンです。表情がないと同時に、リアクションも薄めです。そのため感情がない人は、周囲の人を、どのように接していいのか迷わせてしまいがちです。
感情がない人は他人との関わりを避ける
感情がない人には、あまり他人と関わろうとしないという特徴もあります。人と接触して、感情を共有することを避けるのです。
感情がない人と思われるようなタイプの人は基本的に他人と関わらなくても平気なので、あえて人と関わって、面倒なことに巻き込まれることを避けるわけです。感情がない人は他人と関わることで不要なストレスに悩まされるくらいならば、孤独である方を選ぶということです。
感情がない人は我慢強い
感情がない人は我慢強い傾向を持ち合わせています。我慢強いという特徴があるため、何か不満があっても表に出さないで済むのです。
例えば、普通なら痛みを感じるような場面でも、痛みをあまり感じずに、感情を乱すことなく平常心を保っているように見られます。物理的な痛みにも、精神的な痛みにも、我慢強く対応できるのです。それはつまるところ自分の本当の感情を我慢して、喜怒哀楽を隠すのが上手なのだともいえるでしょう。
感情がない人は論理的で理屈っぽい
感情がない人は、その場の感情にあまり左右されることがありません。基本的に論理的な考え方を好むため、周囲からは理屈っぽいとみなされることが多いでしょう。
機械のように適切な判断を下し続けるうちに、「感情」という曖昧なものは排除するに至ったのでしょう。そうして論理的で理屈っぽいという特徴を持つわけです。
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感情がない人はサイコパス的な性格
感情がない人は、実はサイコパス的な性格なこともあります。
サイコパスとは反社会的な精神を平気で持てる精神病者で、特に他者への愛情や思いやりといった感情が欠落しているといわれます。
特にサイコパス的な性格であるため、人間にとってとても大切な愛情という感情を、持てないことが問題になります。
普段は普通に見えても、サイコパス的な性格を隠し持っている人もいます。そうした人は感情に乏しいかと思ったら、突然に攻撃的になることがあります。
感情がない人は弱みを見せたくない
「人に弱みを見せたくない」と考えている人も、感情がないように振る舞うことがあります。
自分の喜怒哀楽をあらわにすることで、周囲に心配されたり、同情されたりすることを、極端に嫌っているというわけです。
またプライドが高く、自分の言動について何かと指摘されることも苦手な人もいます。そうした人は、できるだけ自分の個性や意見を出さないように気をつけて、自分の本心を悟られないようにしています。結果、感情がないように見えるようになっている人もいます。
つまり感情を表に出すことで、他人に付け込まれるような隙を与えたくない場合も、無感情になりやすいのだといえるでしょう。
感情がない人は繊細で消極的な性格
感情がない人は、繊細で消極的な性格も持ち合わせています。平たく言えば、シャイでコミュニケーションが苦手だということです。
人と接するときに必要以上に考えすぎて神経を使いすぎるタイプです。そのため、コミュニケーションをしようとすると常に緊張してしまい、ストレスを多く感じます。そうしたストレスから身を守るため、あえて近寄りがたい雰囲気を自分から出して、周囲とできるだけコミュニケーションをとらずに済むようにしている場合もあるということです。
また、消極的な性格なので、自分から周囲とか関わろうとすることも苦手です。できるだけ人と関わらないために、無感情な態度を保っているというわけです。
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感情がない人は自分をコントロールできない
感情がない人は、自分の感情をコントロールできない人であるとも言えます。自分が無感情、無表情でいることで、周囲がどんな気持ちになるか、想像が及んでいません。
また、感情のコントロールが苦手で感情に左右されやすく、すぐに感情的になってしまう自分に悩んだ末に、いっそのこと「無感情を貫く」という選択をしている人もいます。そうした人は完璧主義で、取り乱す自分を少しも知られたくはないし、自分が感情のコントロールをできなくなっているときに人に甘えるのは嫌だと思っています。
感情がない人は誰にでも嘘をつく
感情がない人は誰にでも嘘をつきます。自分の本音や、本来感じていることを、いつでも隠しているのです。
さらには、話を大袈裟にしたり、話を創作したりして、人間関係を混乱させることが平気なタイプも多いようです。
何しろ、自分の「感情」に重きを置いていないため、人の「感情」に対しても、配慮がないというわけです。
もちろん、自分自身の本当の感情にも嘘をついています。
感情がない人は刺激を求める
感情がない人は、実は刺激を求めようとするという特徴もよくあります。周囲でトラブルが発生したときなどに、傍観者の立場から、トラブルがエスカレートしていくのを無感情なまま見ていられたりします。
また「恐怖心」という感情が乏しいタイプの人は、日々の中でスリルを求め、より刺激的でドキドキできる体験を求めてエスカレートしていきがちです。
感情がない人になる原因は?
それにしても感情がない人は、なぜ、感情を失ってしまったのでしょうか? 感情がない人になる原因について探ってみましょう。
自分を守るため
感情がない人が感情を持たなくなったよくある大きな理由として、「自分を守るため」ということがあります。
人と感情をぶつけ合うことや、感情を揺り動かすことは、大きなストレスになることがあります。そうしたストレスから身を守る方法として、感情そのものを否定しているというわけです。
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高い理想があるから
感情がない人は、高い理想があり、その理想を追い求めることだけを考えているために、感情がないように見えることがあります。
高い理想はあるけれども今はまだそこまで至っていないとき、そうした状況にいちいち感情を左右されていては、物事は進みません。とにかく理想を追うために、やるべきことをやる。そうした心境から無の境地に至り、感情は排除しているというわけです。
感情を表に出せないから
感情がない人は、ただ単純に、感情を表に出せない人である場合も考えられます。感情が無いわけではなくて、本当は感情を持っているのです。ところが、それをどのように表現していいかわからないのです。それには、単に素直ではないというだけでなく、それまでの育ち方など、さまざまな原因が潜んでいることが考えられます。
燃え尽き症候群になった
感情がない人の中には、今現在、燃え尽き症候群の真っ只中にいるという人も少なくありません。もともとは熱意があり、喜怒哀楽の感情を動かしながら、何かに一生懸命取り組んでいました。しかし、思い通りの結果が伴わなかったりして燃え尽きてしまい(バーンアウト)、それと同時に感情も失ってしまったわけです。
燃え尽き症候群は、それまでは楽しめていたことが楽しめなくなるという意味で、いわゆる「うつ病」にも近い状態でもあります。
幼少期のコミュニケーション不足
幼少期のコミュニケーション不足が原因で、感情を失っているケースもあります。幼少期に、親から愛情をかけられず、ネグレクトされていたような育ち方をしていると、自分の感情を表現することを学ばずに大きくなってしまうのです。
また、理不尽な親に耐えるため、自分の感情を抑え込もうとする癖を、知らず知らずのうちに身につけてしまっています。
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感情を失くすぐらいの衝撃的な事件を経験した
衝撃的な事件を経験したことによって、感情を失くしている場合もあります。例えば、最愛の人を突然失うなど、予測しようのない悲しい出来事を経験すると、心は何も感じられなくなってしまうのです。それだけのショックを受けたということです。
理不尽な仕打ちを受けて、怒りを通り越して、何も感じられなくなっているということも現実としてあるのです。
壮絶ないじめを受けた
「衝撃的な事件」の中で多いのが、壮絶ないじめです。
壮絶ないじめにあうと、防衛本能が働き、感情を押し殺そうとしてしまいます。いじめにあっているときに感じる苦しみや悲しみを、そこにないものとして、消し去ろうとするということです。そして、何があっても、何も感じないようにコントロールすることで、自分自身をとにかく守ろうとする心理が働くわけです。
子どもの頃から壮絶ないじめを受けていると、そのようにして心を閉ざしていき、周囲とのコミュニケーションの取り方がますますわからなくなっていくということもあるでしょう。
無感情な人を抜け出す方法
自分が「感情を失ってしまっている」という自覚があり、そんな人生はやめたい、感情を取り戻したいという人のために、「無感情な人を抜け出す方法」についても考えてみましょう。
やりたくないことを止める
無感情な人は、自覚がないまま、自分の感情を押し殺していることが多くあります。例えば、やりたくないことでも、我慢してやれてしまうのです。ですからまずは、「やりたくないことを止める」ということを意識してみましょう。
何か「やりたくないな」と直感したら、素直になって、「やらない」という選択をしてもいいということを自分に言い聞かせるのです。そのように、自分の気持ちを表現していくことに慣れていけば、だんだんと感情を外に出せる自分に変わっていけることでしょう。
自分の気持ちに沿った行動をする
無感情な人は、「今、自分が本当に思っていることは何か」と、自分自身に問いかける意識を持つようにすることもオススメです。
そして、できるだけ自分の気持ちに沿った行動をするように心がけるのです。
無感情な人は、自分の本当の気持ちを無視してしまいがちです。それは、自分自身に優しくない行動をしているということです。その部分を少し見直して、自分に優しくしてあげるように意識していきましょう。
負の感情を我慢せず口に出す
「負の感情」を出したくなくて、無感情を装っている人もいるのではないでしょうか。マイナスの感情で取り乱す自分を見られたくなくて、あえて負の感情を押し殺しているのです。
しかし、ときには負の感情を我慢せず口に出してもいいのかもしれません。そうした感情の揺れ動きは、誰もが持っているものです。そうした当たり前の感情を表現することで、周囲はその人らしさを感じられるものです。なので、無感情な人は「負の感情を我慢せず口に出す」ということを意識してみても良いかと思われます。
感情がない人は病気の可能性がある?
感情がない人の中には、性格的な特徴というわけでなく、病気が原因の場合もあります。それは、慢性的なものではなく、一時的なものであることも考えられます。
どのような病気があると感情をなくすのか、病名から考えてみましょう。
統合失調症
統合失調症のために、表情や感情表現が乏しくなっている場合もあります。
統合失調症とは、脳内の精神機能ネットワークがうまく働いていない状態のことです。つまり脳内の精神系の機能でトラブルが生じており、幻覚や妄想などの症状が出るほか、意欲の低下が見られたり、状況を認知しにくくなったりするのです。
こうしたときは無理に感情表現をしようとしても、なかなかうまくいきません。適切な治療が必要になってきます。
うつ病
うつ病も、さまざまなストレスなどから脳の機能障害が起こっている状態で、感情を失わせる病気の1つです。うつ病になると意欲が低下してくるとともに、周囲への興味を失っていきます。そして、思考を抑制するように脳が働くようになるため、「考える」ということを思うようにできなくなってきます。
また、感情の中でも特に「喜び」などポジティブな感情を持ちにくい状態になっていきます。その反面で「悲しみ」などネガティブな感情に支配されることがあり、そのためにさらに感情を押し殺そうとする意識が働いていきます。
無気力症候群
感情の起伏が小さくなり、意欲の低下や無関心な傾向が強くなった状態が、無気力症候群(アパシーシンドローム)と診断されることもあります。これは、ストレスから心を守るための逃避の一種です。五月になると意欲が低下する「五月病」などは、この無気力症候群の代表的なものです。五月病は、環境の変化というストレスを激しく受ける新入社員や新入学生に多く見られます。こうした無気力症候群が原因で無感情な人になっているケースもあるということです。
今までなら感動していたようなことに感動できなくなっているようなときは、この無気力症候群に陥っている恐れがあります。
あえて感情がない人になるためには?
自分をクールなキャラに保ちたいという人の中には、あえて「感情がない人」になっていきたいという考えを持つ人もいることでしょう。また、心が強い人はあえて無感情を習慣にしているという説もあります。
ここからはそんな、「あえて感情がない人になりたい」という人のために、感情がない人になるためのコツをまとめてみます。
ニュートラルな心を意識する
感情のない状態をポジティブにいうなら、常に平静な心でいられるということでもあります。普通だったら怒ったり喜んだりするような場面でも、平常心のままでいられるということです。
そうした態度を身につけるためには、ニュートラルな心を意識することがポイントです。ニュートラルとは、快でも不快でもない状態のことです。
修行僧などがするように、自分の感覚に集中し、感情に左右されない心を意識することでニュートラルな心に保つ方法は身についていきます。
体を動かす
心よりも体を動かすことで、無駄な感情を削ぎ落とすことも出来ます。よく、試合に挑むアスリートなどは、感情さえも排除してスポーツに集中します。それと同じ状態を目指すのです。
例えばランニングをしていると、そのことだけに集中して、そのことだけしか考えていない時間が持てることがあります。そんな風に、体を動かすことで、心を無に保つ時間を得られるのです。
瞑想する
瞑想は、感情をニュートラルに保ち、心を強くするために役だつ1つの方法です。
瞑想の方法にはいろいろありますが、基本は同じです。一人きりの静かな環境で、呼吸に意識を向けます。あれこれ考えずに、ありのままを認識し、無を感じ、感覚を研ぎ澄ませます。これはつまり、「感情がない状態を目指す」と言い換えることもできます。
瞑想と聞くとちょっと怪しげに感じる人がいるかもしれませんが、最近はマインドフルネス瞑想が流行していますよね。ヨガの瞑想もオススメです。
感情がない人と言われないためには?
「感情がない人」と周囲に思われることが、本意ではない人もいるでしょう。そうした人は、感情がない人と言われずに、一人の感情を持った人間だと扱われるために、小さな心がけからでも、できることがあります。
常に笑顔でいること
まずは、笑顔を大切にすることです。笑顔は周囲に明るい印象を与えることができます。
笑顔でいることで、相手も身構えずにいられます。それは、お互いにリラックスしたコミュニケーションをとるための基礎ともなります。
無感情でいるといつも怒ったような顔をしているかもしれません。しかし、笑顔を心がけるだけで、優しい人だと思われることもあるものです。
挨拶をすること
感情のない人は、挨拶も苦手です。自分から挨拶することで、人と関わろうとしていると思われたくないからです。
しかし、そうした態度は「感情がない」と思われる大きな原因となります。挨拶は人と人とのコミュニケーションの基本です。まずは、しっかりと挨拶をすることを心がけることで、周囲の印象は大きく変わっていきます。そのときに、できるだけ笑顔も添えられると完璧ですね。
自分の意見を相手に伝える
感情のない人は、基本的に自分の意見を周囲に言おうとしません。しかし、そうした基本姿勢は、周囲から「何を考えているかわからない」と思われる大きな原因となります。
そこで、少しずつ自分の意見を相手に伝えることにトライしていってみましょう。そうすることで、あなたがどんな感情を持っている人間なのか、周囲に伝わりやすくなります。
自分が無感情な人間ではないとアピールするには、できるだけ自分の意見を主張する機会を大切にしたいものです。
友達付き合いを大事にする
無感情な人が変化していくためには、できるだけ友達付き合いを大事にすることも大切です。
感情のない人は、友人を作り関わることすら煩わしいと思いがちですが、信頼できる友達を作ることは、とても大切なことです。
本音を打ち明けられるような友達と関わることで、少しずつでも感情を出すことができるようになるはずです。
そのためにも、自分の興味のあることを見つけたら、感情を押し殺さず、とことんのめり込んで見ることもオススメです。共通の趣味のある友達だと、付き合いやすく、仲良く打ち解けやすいはずです。
まとめ
感情がない人は、周囲に冷たい印象を与えてしまいます。そのために、人と温かなコミュニケーションをできず、常に孤独で、人生を楽しみきれていないかもしれません。
しかしいざ「感情を出すようにしよう」と思っても、感情を外に出すことに苦手意識を持っていて、どうしても自分の感情を抑えてしまうというも少なくありません。
そんな感情を出すことが苦手な人は、信頼できる人を見つけて、少しずつでも素直な感情を表現し、ぶつけられるといいですね。自分の弱みを見せて相談できるようになっていけることも大切です。
また、どうしても感情が湧いてこないという人もいるでしょう。そうした人は、上にまとめたように笑顔や挨拶を大事にすることも簡単なポイントです。小さな積み重ねで、必ず本来の無感情に見える奥底に潜む感情を理解しようとしてくれる人が現れるはずです。
それにしても感情を表現することは、自分らしさを表現するということです。周囲に「自分」という人間を理解してもらうためにも、自分の感情を押し殺しすぎずに素直になっていけるといいですね。
また、感情がないという状態は、悪いことばかりではないということも知っておきたいものです。小さなことに感情をすぐに左右されて、イライラしたり、怒ったりなど、感情的になりすぎるとまた周囲に迷惑をかけることもあります。喜ぶような感情の表し方ならいいかというと、そうでもなくて、その陰で悔しい気持ちを持つような人は必ずいるものです。
つらいときや、悲しいときに、その感情を客観視して自分の感情をニュートラルに保つ能力は、これからの時代に求められる能力の1つでもあります。だからこそ今、ビジネスマンたちに瞑想が流行するなどして「あえて無感情な状態を目指す」というムーブメントがあるわけです。そうした瞑想などを通じて得られるニュートラルで心の安定につながるような無感情状態は、目指すべき心の境地であるかもしれないという認識も持っておけると、自分にもっと自信が持てるようになるかもしれませんね。
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